投稿日:2019年06月28日
[ようこそ美術館へ]読谷村婦人会のみなさん。
6月22日。読谷村婦人会のみなさん、15名が来館しました。 ボクネン美術館やボクネンのことは、ご存知の方ばっかり。それでも美術館へ来たのはみなさん初めてということでした。 絵を実際に見て、やはり興味は“裏手彩色木版画”のこと。「通常の木版画と彫りから墨ずりまでは一緒です。仕上がっ...
投稿日:2019年06月24日
[ようこそ美術館へ]絵のなかへ。
「海でね、“電気クラゲ”に刺されて、痛かったんです。とても痛かった」 ある鑑賞者が常設展示の『大礁円環』(1996年)の前でどこか痛がるような顔で話しています。そこで、尋ねてみました。 「そうですか。痛かったんですね。ところで、この『大礁円環』、畳12畳もあるんですよ。海のなかの魚がいっぱい描かれてい...
投稿日:2019年06月17日
失ったもの。
版画は不思議にいろんなことを気づかせてくれる画法です。すべて裏から、つまり反対から取り組んでいくんですね。つまり、頭を逆回転にしなければいけません。 版木では彫った線や面が白になり、彫らなかった線や面が黒になります。また絵の人物などに右を向かせたかったら、左向きに彫らなければなりません。さらに、裏手彩色とい...
投稿日:2019年06月10日
おんぶ。
ちょっと前のことです。「ママと赤ちゃん」ふうのテレビ番組で主婦アドバイザーらしき方が言うには「最近は“おんぶ”をするお母さんが見あたりません。“おんぶ”はママが少し首を横に動かせば、赤ちゃんの顔を見ながら家事をすることもできます。“おんぶ”は赤ちゃんとのコミュニケーションにもなりますよ」というも...
投稿日:2019年06月03日
夢中になれること。
少年は岩陰に隠れてもう何時間も砂浜のほうに目をやり、その目的の瞬間を待ち続けています。彼はクラスの誰よりも生き物が大好き。一度ふしぎとおもい合点がいかなければ、その生き物の習性や生態のことをとことん観察しなければ納得しません。 少年にとってその日の納得できないこととは、砂浜のヤドカリもどき足跡。そのカタチは...
投稿日:2019年05月27日
夕凪。
所さんの『笑ってこらえて』という人気番組があります。そのコーナーで、ご当地に行って地元のひとに「ここの自慢できるところを教えてください」と声をかけて紹介してもらうのがあります。 そんなノリで「沖縄の自慢できるところを教えてください」と訊かれれば、ぼくは迷わず浦添市の丘の上にある『浦添ゆうどれ』と答えようと思い...
投稿日:2019年05月20日
梅雨。
奄美に数日遅れて、沖縄も梅雨に入りました。この梅雨に、私はこれまでとくに関心を示さないで生きてきました。自然に対して敏感に慣れ親しむというところがなく、情緒のない人間なんですね。 ただ、この十数年前から少しだけ情緒のあるひとになりかけています。いまの時期、沖縄は梅雨の初めです。この時期に吹く南風を“黒はえ”...
投稿日:2019年05月13日
絵のわかるところまで。
「絵がわからない」を毎週のように連呼している私ですが、それでも「絵のわかるところ」というのもきっとあるはずです。きょうは、そのあたりについて話せればとおもいます。なにしろ美術館で働いている私ですから、そこまではコミットすることから逃げられませんよね。 たとえば、去年あたりから日本でもとくに注目され始めているオ...
投稿日:2019年05月07日
絵のわからなさ。
ある作品を見て、自由に語るひとがいます。例えば、渡り鳥が飛んでいると、「あれは自由をおうかしているんですね」とか、額いっぱいに描かれた闘鶏が描かれていると、「作者はそこから抜け出したいと心の解放を求めているんです」とか、はたまた数千羽のバッタの群れが空をおおっていると、「一羽一羽の孤独を象徴していますね」とか、...