投稿日:2018年09月07日

“落てぃ実”

“落てぃ実”

 暦のうえでは、もう秋。「あから」ができて早いもので8年がたちました。建物と緑が合体した「森」をつくろうという当初の計画がやっと少しずつ目に見えてきたようです。 と言うのは、「あから」の風の通り道側に積んだ石垣からガジュマルが“落てぃ実”(ウティミ)として、芽出しをしているのです。これは“ドゥチュイナイー”と...

投稿日:2018年05月01日

神さまの仕業。

神さまの仕業。

 ボクネン 美術館は版画専門誌『版画藝術』へ季節ごとに掲載する広告を兼ねて、作品にタイトル以外の「言葉」をつける試みをやっています。鑑賞者のひとりが勝手に自分の“感覚”を絵にぶつけてみることになるわけですね。もちろん作家にも了解を得て、この企画は進められています。 ボクネン はよく「絵は観る者のもの」と言って...

投稿日:2018年04月16日

開催中の展示会『水の記憶』の作品から。

開催中の展示会『水の記憶』の作品から。…

 今、開催中の展示会『水の記憶〜すべての始まり〜』から作品を紹介しています。今回は『波紋』(はもん、2000年作)です。上に掲げているのがそうですが、実はこの作品はある不思議さを感ぜずにはいられないもので、ボクネン自身の資質をもっともよく表しているものと思われます。 その不思議さとはこの作品が、どんな場所でど...

投稿日:2018年04月09日

開催中の展示会『水の記憶』の作品から。

開催中の展示会『水の記憶』の作品から。…

 いま開催中の展示会『水の記憶』から、一押しの作品を紹介しよう。上に掲げた『来訪』(1991年)である。これは「珊瑚花畑」シリーズの四十五番目に描かれたもの。  この作品が描かれた1991年は、“神話”や“物語”を題材にしたものが多く、作家もこれらのテーマによく関心を示していた。ちなみに、そのあとの時期1993年...

投稿日:2018年04月02日

絵って不思議なものですね。

絵って不思議なものですね。…

美空ひばりの「人生って不思議なものですね」ではないですけど、「絵って不思議なものですね」とおもったことがあります。 ボクネン美術館での展示会10回目(『モノクロームの歌』)のとき、当時は英語のタイトルも添えようと懸命に訳していたことがあります。それで上に揚げた作品『牛頭』(ごず、1989年)を英語で外国人...

投稿日:2018年03月20日

行きはよいよい、帰りはこわい。

行きはよいよい、帰りはこわい。…

 8000メートル級の山をいくつも登ってきたベテランが、ある山を目の前にして天候不良のため断念したそうです。それも天頂までのわずかばかりの距離を残しながら。 そして、その登山家は再びその山に挑戦し、ついに登頂を成功させました。すると、その登山家、意外なことを言ったのです。「私が再度、挑戦したのは帰り道のためで...

投稿日:2018年03月05日

またはーりぬ ちんだら かぬしゃまよ。

またはーりぬ ちんだら かぬしゃまよ。…

 中学校のころまでは、童謡や歌謡曲の歌詞をずいぶんと勘違いしていた。先輩や先生も意外と指摘や注意をしないものだからまるで気づかないでいた。 例えば「うさぎ追いし」を「うさぎおいしい」と思っていたり、グループサウンズの『想い出の渚』のなかの歌詞「水面(みなも)走る」を、ずっと「皆も走る」と信じていた。 そ...

投稿日:2018年02月19日

渡り鳥。

渡り鳥。

 世の中にはびっくりすることがいっぱいある。最近もひとつあった。我慢ができないので話をさせてほしい。 渡り鳥のことである。首を大空に向けて渡り鳥が飛んでいくのを眺めるのはなんとも情緒的でいいものだけど、彼らの生態についてはほとんど知らないのが正直なところ。そのくらいの知識だから、せっかく南島にも季節の風物詩と...

投稿日:2018年02月13日

「自分だけのものを発見しよう」。ヤンバルで講和会が開催される。

「自分だけのものを発見しよう」。ヤンバルで講和会が開催される…

今月2日の金曜日。名護市の名桜大学でボクネンの「講和会」(「大学と人生」シリーズの一環)が開かれました。これは、学生の単位取得も兼ねた講義(教養科目)と、大学が開催する公開地域イベントでもありました。 会場には200名近くの学生と地域の住民が訪れ、ボクネンが話す故郷伊是名島と版画のことに熱心に耳を傾けていまし...

投稿日:2018年01月29日

船になったみやらび(娘)。

船になったみやらび(娘)。…

 琉球王国の時代ですから16世紀から17世紀にかけてのことです。王国から赴任してきた離島・先島の役人が、現地で気に入った“娘”を3年ほどのあいだ現地妻にしたという話が残っています。  もちろん、数年でも高級役人の傍にいて贅沢に暮らせるということで現地妻になった“娘”もいますが、なかにはその強制をよしとしない女性も...