投稿日:2017年08月28日
霊力を合わす。
上の作品は『祓歌』(はらえうた、45.0×45.0cm、1998年)と言います。霊場でふたりの神人が「神歌」を歌っているところです。 ここで、ひとりではなく、どうしてふたりなのか?という単純な疑問が、最初この絵をみたとき、思いました。その後、そのことも忘れていましたが、最近ふとある文章を読んで、この絵がありあ...
投稿日:2017年08月21日
お盆の風と話そう。
沖縄の夏も残暑厳しいおり…と言いたいとこですけど、まだまだしぶとい日差しが、この南の島にゆっくりとしていらっしゃいます。それに旧盆も来月そうそう控えていますもんね。 「旧盆」と言えば、ボクネンは1997年に立て続けに霊界関連の作品を三つ(『開路』<あけみち>、『開口』<あけぐち>、『渡橋』<わたりばし>)と制...
投稿日:2017年08月14日
風はどこから吹いてくる。
ボクネン美術館では「風」がよく出てきます。前回の展示会が「風の聲」でしたし、作家の画集のタイトルが『風のゆくえ』(これはラジオ番組のタイトルにもなりました)でした。それから奄美開催の最初の個展名も「風の島から」でした。さらに、アカラの建物にも二つの「風」の道があります。 これらの「風」の登場は、偶然の一致では...
投稿日:2017年08月07日
神さまはジュゴンに乗って。
昨日の8月5日(旧暦6月15日)は、伊是名勢理客の“うんなー”の日でした。ぼくも、この豊年祭(綱引き)には何度か見に行き、参加もしたことがあります。 綱引き前の“道ジュネー”には、部落の拝所や、その年のめでたいことのあった家々をまわり、村人みんなでお祝いと祈りを捧げます。そんな風に夕方から深夜までみんなで行進...
投稿日:2017年07月31日
ひまわりが見ている。
先週の水曜日(7月27日)。うるま市にある「NPO法人 児童デイサービスくるみ」の皆さん13名(先生4名、児童9名)が来館してくれました。(7月27日の記事もありますので合わせて読んでくださいね) 美術館にいてもっとも勉強になるのは「子供たちの感想」を聞くことです。もちろん、ほとんどの子供たちは「大人に気に...
投稿日:2017年07月24日
版画の母。
今、「向日葵」展を開催中です。館内の向日葵作品には色鮮やかなものから、迫力あふれるものまで多種多様。まさに向日葵の大集合です。 そんななか、ある作品の前にガラスケースがあり、そのなかに「版木」(絵を彫りつけた印刷板)があります。その作品は『オメデトウのひまわり』(2000年、32.0×25.5cm)です。 ...
投稿日:2017年07月10日
緑門。
ボクネンが好んで描く作品に〝緑門シリーズ〟があります。昭和20年代までに生まれたひとたちは、この沖縄の古き時代の光景をよく覚えていると思います。「ああ、こんなトンネル、通ったことがあるよ」なんて口々に言うことでしょう。 ぼくも何度かこの〝緑門〟をくぐりました。ただ、ぼくのは海の緑門ではなく、畑入り口にある山に...
投稿日:2017年07月03日
島吹。
ボクネンは今年、画業30周年を迎えました。それと合わせて、この30年のあいだに新聞雑誌などに掲載されたエッセイ、絵本などの文章、インタビューや対談などの収録も数多く残しています。それで『風の島』(ボクネン読本)<仮称>というタイトルで、200ページ程の出版を企画しています。 その編集作業を進めるなか、面白...
投稿日:2017年06月26日
『樹娘』(きこ)。
先週の月曜日、6月19日のこと。ボクネンが秋の展示会(『紋様の祈り〜未来へのまじない〜』)のために作品を彫り始めているという話を聞いて、読谷のアトリエまで出かけてみました。 すると、すでに3点の作品(48.0×47.0cm)がモノクロ刷りを終えていて、そのなかのひとつに『樹娘』(きこ)と言う作品がありました。...