投稿日:2020年02月10日
[ようこそ美術館へ]直感とエネルギー。
ひとは傍から見ただけではわかりません。これは美術館に来た鑑賞者に、よく感じるものです。今回も北海道からいらしたツアー客の70代後半とも思しき品のいいご婦人に話をうかがいました。 正直のところ、「絵は私には難しくわかりません」といういつものお決まりの答えが返ってくるばかりと思ってました。ところが、そのご婦人、...
投稿日:2020年02月03日
艶蕗。
だいぶ前のことです。石垣島の小料理屋でなんとも美味な野菜炒めを食べたことがあります。しかしこの野菜、見た覚えがないんですね。 「この野菜、なんですか」と言う問いに、女将さんが「オオタニワタリですよ。どう、美味しいでしょ。新芽の部分ですがね」と答えてくれました。 なるほど先島を中心に各島々には、口に入れる...
投稿日:2020年01月28日
白龍。
「……島の上空には『白龍』(はくりゅう)が姿を見せるようになりました。海の方から眺めますと、『白龍』は、まるで島がそのまま浮上したような形で成りたちます。地上の土草が十分な潤いを持つと、上昇する太陽がそれを温める。すると蒸気が立ち昇り、それが雲になる。島全体に、それが作用するわけですから、自ずと雲は、島の形状を象...
投稿日:2020年01月21日
木に登る理由。
ボクネンは毎年夏に “うんなー”という豊年祭で伊是名島に足を運びます。そのとき懐かしい友に会うように文化財級の“大デイゴ”にいつも登っていました。また森の中に入り大きなガジュマルやウスクなどを見つけると、猿のようにヒョイヒョイと登ります。 これは高い木に登って少年のように遠くを見渡す“気持ちよさ”を味わって...
投稿日:2020年01月14日
[ようこそ美術館へ]絵は神様のメッセージを伝える“窓”。
絵を鑑賞する方々は、いろいろです。絵の色や線に感嘆するひと、そして絵の奥に潜む“不思議”を読み解くひとです。 今日は、その“不思議”な鑑賞者の話。つまりそのひとたちは沖縄に特徴的な人々で、古くから“ユタ”などと呼ばれる“霊媒者”たちです。今、美術館で『万象連鎖展』を開催中ですが、その摩訶不思議な作風には、こ...
投稿日:2020年01月06日
[ようこそ美術館へ]“俺たち”まだまだやれる。
ボクネンの友人は全国に広がっている。そんな人たちが突然、美術館を訪れてくるのはそう珍しいことではない。 正月の6日。来館したのは、池田裕行さん。ご存知、「筑紫哲也NEWS 23」で知られた報道記者。ボクネンとは旧知の仲で、ときどきユンタクをする仲だ。マラソンが趣味の池田さん、この日も年相応の健康問題を皮切り...
投稿日:2019年12月23日
[ようこそ美術館へ]“絵”が及ぼす不思議。
「絵のなかにとても“音楽”を感じます。実は私は東北大震災で“住む場所”を失いました。その“場”がなくなったら、“音楽”や“芸能”までが失われたことがよくわかりました。ボクネンさんの絵に、芸能が生まれる“場”が描かれているのをすごく感じたからです」 こう静かな口調で話してくれたのは、仙台生まれの女性。絵から...
投稿日:2019年12月16日
[ようこそ美術館へ]黄色の差し色。
ボクネン美術館には、いろんな外国の方が訪れます。やはり、日本人とは違った鑑賞の仕方をしますので、スタッフとしてはとても勉強になります。それでも作家論、作品論と言うのは危ういものですから注意しなければなりません。 「とても素晴らしい!黄色の差し色が鮮やかでおもしろい!」 この感想は先日、来館した外国の男...
投稿日:2019年12月09日
[ようこそ美術館へ]「闇の覚醒」でしょ?
「これはね、闇が覚醒して光がとけたんだ。それから、とけた光はあのガイコツたちになったんだ。光は闇にあやつられているからね。画面にたくさん広がっている白いたまごたちは儀式をしている女の人たちになったんだ」 以上のくだりは小学4年生の男の子が、『万象連鎖』をみて話してくれた感想です。これ、ほんとうです。 ...