[ようこそ美術館へ]「闇の覚醒」でしょ?

 「これはね、闇が覚醒して光がとけたんだ。それから、とけた光はあのガイコツたちになったんだ。光は闇にあやつられているからね。画面にたくさん広がっている白いたまごたちは儀式をしている女の人たちになったんだ」

以上のくだりは小学4年生の男の子が、『万象連鎖』をみて話してくれた感想です。これ、ほんとうです。

しばらく呆気にとられた美術館スタッフは、「どうして、そんな難しい言葉を知ってるの?。なぜ、そんなに想像力が豊かなの?」と、言うしかありません。その男の子によく話を聞いたら、なにしろゲームが大好きらしいのです。ちなみに、おじぃちゃんは絵と文章が得意だったそうです。

それにしても、『万象連鎖』をみて10歳にしてここまで言葉にするのは、たいしたものです。いや、まいりました。

 美術館スタッフは絵の鑑賞をしてもらう前に、皆さんに普段こう言います。「絵は勉強したり、学んだりするものではありません。目の前の絵を自分で感じ、想像し、楽しむのです。できれば、絵とお話できればもっといいですね」と。

以上のスタッフがいつも話していることを、その日一番に実行し楽しんでくれたのは、まさに先ほどの男の子でした。ほかのおともだちも鋭利な言葉を、スタッフに次々とパンチを繰り出してきます。

「先ほど、おじさんはボクネンさんが小さい頃からの記憶などをどんどん掘り出して、絵を描いているといったけど、この夢のような絵も記憶から掘り出したものなの」

言葉に詰まったのはスタッフです。「昔の記憶は、そのままの形で出てこないことが皆さんにもたまにあるでしょ。夢みたいにおぼろげに出てくることもあるでしょ?」

とかなんとか答えを用意したスタッフでした。

それから画伯の大作を「ここらへんは寂しいから、ここにもっと魚を増やした方がいいね」などなど、容赦のない批評もどんどん投げつけてくるのでした。

いやあ、恐るべし浜川小学校4年生(4クラス)のみなさんでした。<来館日:11月28日、作品は『万象連鎖』から>(當山)