投稿日時:2020年01月28日(火) 15:53
白龍。
「……島の上空には『白龍』(はくりゅう)が姿を見せるようになりました。海の方から眺めますと、『白龍』は、まるで島がそのまま浮上したような形で成りたちます。地上の土草が十分な潤いを持つと、上昇する太陽がそれを温める。すると蒸気が立ち昇り、それが雲になる。島全体に、それが作用するわけですから、自ずと雲は、島の形状を象るというわけです。かくして、古の中国の使者に、『白龍』と囁かれ、龍の住む国として尊ばれたというのです」。
上記の文章は、この春出版予定の名嘉睦稔著『風のはなし』からの抜粋です。古琉球の時代を初めに冊封使が琉球を訪れたとき、船からこの不思議な雲を目にして「白龍」と名づけたのです。この「白龍」、興奮ついでに毎年ブログで紹介していますが、何度見ても迫力ある不思議な生き物のようです。
先だって、出勤途中にふと偶然その「白龍」に似た飛行機雲に遭遇しました。700年前の冊封使たちが見た「白龍」を、昔と同じように私たちも経験できるなんてなんとも不思議です。5月頃には、ほんとうの「白龍」が見られます。その頃、大空に目をやってみるのもいいですよ。<當山>(掲示写真:飛行機雲)