艶蕗。

 だいぶ前のことです。石垣島の小料理屋でなんとも美味な野菜炒めを食べたことがあります。しかしこの野菜、見た覚えがないんですね。

 「この野菜、なんですか」と言う問いに、女将さんが「オオタニワタリですよ。どう、美味しいでしょ。新芽の部分ですがね」と答えてくれました。

なるほど先島を中心に各島々には、口に入れるものとしての珍しい野菜(植物)が豊富にあるようでした。それからは市場に並ぶ野菜より、野に咲く野菜の方に興味を持つようになりました。

例えばアロエの天ぷら、ツワブキの煮物、アダン葉の新芽、紫カタバミなどなど、もっともっとあるでしょう。思うにこれらの野菜(植物)は、稲作が始まる前からあったんでしょうね。

ボクネンの作品に『叢艶蕗』(むらつやぶき)というのがありますが、石蕗(ツワブキ)を艶蕗(ツヤブキ)と言ったところに、彼のセンスを感じます。なんでもかんでも加工品の商品で囲まれているいま、もっと身近な自然の野菜(植物)に目を配るものいいなぁ。<當山>

(掲示作品『叢艶蕗』2001年)