[ようこそ美術館へ]直感とエネルギー。

 ひとは傍から見ただけではわかりません。これは美術館に来た鑑賞者に、よく感じるものです。今回も北海道からいらしたツアー客の70代後半とも思しき品のいいご婦人に話をうかがいました。

正直のところ、「絵は私には難しくわかりません」といういつものお決まりの答えが返ってくるばかりと思ってました。ところが、そのご婦人、おもむろにこう口を開いたのです。

「この絵は“直感”で描かれてますね」

「…そうなんです。そうしないと、絵のイメージがどっかに行っちゃうらしいんですね」と、スタッフ。

「“直感”だから、こんな大胆な絵になるんですね」。ご婦人は、絵に深い見識があるようでした。

「この“万象連鎖シリーズ”、描き続けて20年以上もなるんですよ」と、スタッフ。

「しかし、そんな長い間続けられるエネルギーは、どこから来るんでしょう」と、そのご婦人。

この鑑賞者、感性と審美眼に長けていると思いました。 “絵を楽しむ”ということは、こんなことなんだと、つくづく感じさせられました。

絵は、ほんとに“自分との会話”以外のなにものでもないんですね。<當山>