投稿日:2016年07月04日

ギャラリー散歩

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名嘉睦稔の作品にはいろんなそれこそ万象彫りのイメージがある。とくに万象連鎖シリーズでは「死後の世界」や「森の神秘な世界」など不思議な作品が見たことも無い想像の世界として描かれている。例えば、上掲の作品『渡橋』(1997年)は明らかに三途の川を渡る人々のことを描いている。この作品は作家の死後におけるイメージがテー...

投稿日:2016年06月27日

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 版画の技法は古いようだが、新しくもある。というのは直接手をくださないぶんだけ作品が仕上がったとき作家本人もおもわぬ表現効果に遭遇することができるということだが、それはなにも木版・石版・シルクだけに限らない。最近ではデジタル版画なるものも登場してきている気配だ。  ちなみに、今年の心象作家協会の公募展「第59回心...

投稿日:2016年06月26日

ボクネン展vol.17『神々の山』〜島の守護霊〜 7月10日まで

ボクネン展vol.17『神々の山』〜島の守護霊〜 7月10日…

ボクネン美術館ブログをご覧いただきありがとうございます。 梅雨明けし、沖縄も夏本番というとことでしょうか。 3月26日(土)より、ボクネン展vol.17『神々の山』〜島の守護霊〜も7月10日(日)までとなります。新作大作作品「屏風山」、「泰然自若」など、見所満載です。まだご覧になられていない皆様、こ...

投稿日:2016年06月20日

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 昨日の日曜日は、沖縄県立博物館・美術館で開催中の『巨匠たちの軌跡』を観てきた。19世紀後半の印象派の画家たちの67点も展示してあったこともあって、かなり当時の時代の雰囲気をつかめた。  それにしても、目的はゴッホ、セザンヌ、ゴーギャンあたりの名作を期待して足を運んだのは間違いない。つまり、ゴッホの『アルルのはね...

投稿日:2016年06月13日

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中世や近世からの日本の水墨画や浮世絵が外国の名だたる画家に評価されてきました。その理由はどこにあるのかといいますと、平面における遠近法の独特的な構図とかいろいろと言われてきましたが、どうもそういう学問的な意味ではなかなか実感できないものがあります。先頃、亡くなった世界的な経済学者ピーター・ドラッカーは日本画の収...

投稿日:2016年06月06日

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 作品にはその作品が独自に訴えるものがあります。その訴えるものを客観的に言えば、絵のなかの場所や時間などの表現ということになり、主観的に言えば絵のなかに盛り込まれている主人公(作家)のおもい(感情)になるとおもいます。その客観と主観の両方が作品のなかにしっかりと織り込まれていると、いい作品になるのです。  さて上...

投稿日:2016年05月30日

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ボクネン作品に『さかな』(1989年、47.5×62.6cm)というのがある。画面一杯にイラブチャーやほかの熱帯魚たちが輪になってぐるぐる巻きに詰められて描かれているのだが、なんとも立体感というかまとまり感といったものがよく表現されていて惹き付けられる作品である。 この作品の線は太いのだがなんともなめらか...

投稿日:2016年05月23日

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 “ストリート(スプレー)ペインティング”というのがあります。街のビルの壁や海岸の護岸によく描かれているので、見たことがあるとおもいます。その“ストリートペインティング”で一躍現代アートで名を馳せたのが、28年前になくなったニューヨークの画家バスキアです。そのバスキアの作品が、最近美術オークションで高額で取引きされ...

投稿日:2016年05月16日

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 沖縄ももうすぐ梅雨が刻々と近づいています。超天気になったり夜中に雨が降ったりで、まさに梅雨の前夜って感じですね。ぼくは今の季節になると、民家の生垣や門などに巻き付いて艶やかな花を咲かせる「ブーゲンビレア」のことを頭に浮かべます。ちなみにボクネン作品にもこの『ブーゲンビレア』(1989年、30.4×45.0 cm)...

投稿日:2016年05月10日

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先月、東京に行く機会があって、東京国立博物館での『黒田清輝生誕150年』を観に行ったつもりなのですが、どうしても都合がつかず、行けませんでした。話はその黒田清輝の話ではありません。その近くでやっていた17世紀に活躍したイタリアの画家カラバッジョの話です。 カラバッジョは「黒を使うことは絵を支配することにつ...