投稿日:2016年04月25日

ギャラリー散歩

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 ボクネン版画には驚くばかりの数のタッチがある。ぼくはそのタッチを小説でいうところの「文体」だと、おもっているのだが、今日はその「絵の文体」の話をしたい。結局、絵を好きになるのは、その絵のタッチ(文体)なのではないだろうか。  そういう意味でいうと、上掲の『白い蝶』(1996年、100×80 mm)は、20年前の...

投稿日:2016年04月18日

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 ボクネン美術館では、版画専門誌『版藝』に季刊で広告を掲載していますが、そこで作品に“言葉”を添えるという実験を続けています。ちなみに、この夏に広告する『版藝』は172号になります。作品に“言葉”を添えるといっても、もちろん作品には作家がつけた画題がまずありますから、それは別に必要はないでしょうと言われそうですが、しか...

投稿日:2016年04月14日

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 この4月17日(日)で、いよいよピカソの『ゲルニカ』沖縄特別展が終わる。もともと観るつもりがなかったというのは、今回展示される『ゲルニカ』自体が複製であり、それもタピスリということもひっかかっていたからである。しかし去った日曜日、那覇に行く機会があって、やっぱり足を運ぶことにした。  やはり、ぼくの予想は的中し...

投稿日:2016年03月29日

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3月26日から新しい展示会『神々の山』が始まった。展示の7割ほどが富士の絵になったのは、作家にはほかにも「山」の作品がたくさんあるのだが、この数年、精力的に富士の作品を手がけたからである。展示された55点の山の絵のうち、ぼくの好きな作品『雲海富士』(48.0×47.0 cm)のことを話してみる。 この絵を...

投稿日:2016年03月22日

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 期せずして大震災の5年目の3月11日に、ボクネンの新作『泰然自若』(上載の絵)を観た。黒と青が織りなす富士である。直感的に思ったのは、この絵がストーリー性を内包しながらもなにかを訴えているということであった。例えばこの山の上辺が「老境」だとすると、下辺部は「胎児期」、そして真ん中あたりの雲は、現在の作家自身である...

投稿日:2016年03月08日

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  先月の2月、新鮮なイメージに圧倒されたボクネン作品が2つある。『竹富士』と『梅富士』だ。これらの作品を目にしていると、なんだか「花札」や「かるた」ような懐かしいイメージがわいてくるのだ。それと、浮世絵の素朴な深みなどというものも感じられる。  しかし、それにしてもである。先回にもこのブログで紹介した剣岳を描い...

投稿日:2016年03月01日

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 昨日の閏年の付け足し日である2月29日、午後2時よりボクネンの新作の着色があるということで、読谷のアトリエまで足を運んでみた。まさに、その日に産まれたばかりの作品だった。ので、まだ命名はない。ちなみに作品は、この3月26日から始まる『神々の山』展に向けた作品群の一環で、その日の作品は20数年前に見た剣岳の印象を彫...

投稿日:2016年02月22日

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 昨日(2月21日)、BSテレビで「巨匠たちの輝き」〜歴史を創った芸術家たち〜という番組を興味深く観た。番組はアーティスト日比野克彦がホストを務めるもの。その日はオーストラリアの先住民「アボリジーニ」が2万年前に岩に描いたという絵を通して、「ひとはなぜ絵を描くのか」というテーマのもとに番組が進行した。構成としては、...

投稿日:2016年02月16日

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 このところボクネンが「富士」を彫り続けている。「取るものを順序よく取らなければ、次の作品に向かえない」というなかで、これらの「富士」が次から次へと彫られているのである。  ちなみに来月から始まる『神々の山』展(3月26日〜7月10日)にも備えて彫っているのである。  さて、そのひとつである『青峰富士』という作...

投稿日:2016年02月01日

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 今月2月9日より沖縄県立博物・美術館で「木梨憲武展」が始まる。  この展示会開催時期にうまいぐあいに関連して、数週間前、テレビのドキュメンタリーで木梨憲武さんのニューヨークの個展の模様を伝える番組をみた。テレビでは木梨さんの奔放な作風も興味を引いたが、奥さんの女優である安田成美さんのディレクションというか、とき...