投稿日時:2020年04月23日(木) 15:03

インタビュー

 

今年1月に描き上げられた新作、「首里城御顔」と「火より甦える」に関して

睦稔さんにインタビューを行いました。

 

私 「何を思って描いたんでしょう?」

 

睦稔「首里城が焼失してしまって、描いて欲しいと言われたから、実際のことに従順に描いてますね。」

 

私 「御顔(おかお)ですか?」

 

睦稔「首里城の顔といえばここだろうね。後ろのシーサーの目が寄って惚けた顔してるよね。出来上がってみたら実に面白くて。」

 

私 「本当にいるんですか?」

 

睦稔「シーサーが対でいるよ。装飾には全部意味があって。日本の建築様式と中国の様式が混然としてる。当時は紫禁城に留学したり王様に謁見したり、役人は公務でよく中国に行くんだよね。すごい数の人が中国に行って、結果、中国の文化を取り入れるのにさかなり情熱を持ってやったんだ。」

 

私 「火より甦えるも同じ部分を描かれていますが、燃えているようですね?」

 

睦稔「不謹慎だと言われそうだよね。だけどさ、不死鳥、鳳凰は火の鳥だね。火というのは、あらゆるものを消滅させるんだけど、同時に再生を約束してるんだよね。」

 

私 「龍もいますがこちらは?」

 

睦稔「青龍は水気(スイキ)の支配者だね。首里城にはこの龍と鳳凰がたくさんデザインされててさ、その意味するところは、王の権威が永く続きますように続くべきであるという願いなんだ。首里城は燃えていくけれど、再生を約束されて今、蘇りに入りましたという風に捉えてもらえないかなと。」

 

恋の季節で力いっぱい囀る鳥たちに睦稔さんの気持ちを奪われたので、

インタビューはここまでとなりました。

 

 

ボクネン美術館スタッフ

 

▼木版画作品「首里城御顔」

https://gallery.akara.asia/products/detail.php?product_id=2537

 

▼木版画作品「火より甦る」

https://gallery.akara.asia/products/detail.php?product_id=2538