投稿日時:2020年04月21日(火) 15:03

首里城を想う

 

2019年10月末日。沖縄を震撼させた「首里城火災」が起こりました。

 

それからしばらく。ほんの少し心が落ち着いてきた2020年1月のこと、名嘉睦稔は首里城を題材に「首里城御顔」、「火より甦える」の2作を描き上げました。

 

なぜこの絵を?と聞いてみると、冗談半分に、みんなが描けっていうからさ、などと返してくる睦稔さん。

 

どう感じたか?という質問には、素直に、象徴・文化のあり方を見たという答えが。たくさんの沖縄人が悲しみを口々に表現する姿に、それぞれに想いがあったのだと実感したそう。

 

伊是名で育った睦稔さんにとって首里城そのものはそれほど身近なものではありませんでした。生活の中にあったのは三線。その頃は三線を弾くことを卑下されるような時代だったと言います。それはなぜだろうと考え、沖縄文化を知っていく中に首里城はあったそう。

 

改めて考えると、心の拠り所でもあるでしょうが沖縄文化の象徴的存在として首里が位置するという理解だろうと思うと話は締め括られました。

 

恐らく多くの人が、常日頃から意識するほどの特別な思い入れはないまでも、根底で文化を愛する自らの心に目を向けた今回。その皆様の痛む心に寄せて描かれたのが今作品です。

 

 

ボクネン美術館スタッフ

 

 

▽木版画作品「首里城御顔」

https://gallery.akara.asia/products/detail.php?product_id=2537

 

▽木版画作品「火より甦る」

https://gallery.akara.asia/products/detail.php?product_id=2538