ボクネン作品にみる近未来『ミ・ズ・ケ・モ・ノ』

 「ボクネン作品にみる近未来」の5回目です。今回は『ミ・ズ・ケ・モ・ノ』(2002年、掲示作品)。ボクネン作品には、自然や文化を謳歌したものが数多くあります。しかし、そのほかに未知の世界の恐怖や地球の行く末を案じるような作品も少なくありません。

 ここに掲載した『ミ・ズ・ケ・モ・ノ』も、地球の歴史は必ずしも人間ばかりが主役ではないことを暗示しているように思われます。それとともにこの作品は、“生き物”の本性をも見据えているような気がしてなりません。

 赤ちゃんが子宮のなかで水性動物から陸生動物に進化するとき、母体は一層の苦しみを覚えるのだそうです。そのとき胎児であった私たちも母親と一緒に途轍もない経験をしているんですね。この『ミ・ズ・ケ・モ・ノ』は、陸生動物に移る前の水性動物の痛みを覚えるまえの前人類、あるいは近未来の人類を描いているようにも見えます。

 『ミ・ズ・ケ・モ・ノ』(2002年)は、そんな自然への敬意をも感じさせる作品です。<當山>