投稿日時:2020年05月21日(木) 9:26
ボクネン作品にみる近未来『宙を刺す』
少しずつ新型コロナウイルスの解除が特定地域を除いて全面解除も始まったようです。しかし、まだまだ気の緩みは許されません。たとえ、何ヶ月後に落ち着いたようにみえても、これからの世界は“ウイルス”に対して、なんらかの意識改革をしなければならない気がします。
芸術家たちは絵画、小説、映画などの作品世界で、こんな時代が来ることを早くから予言していたようです。
ボクネンも、そんな予言的な作品がいくつかあります。今から18年前に制作された『宙を刺す』もそのひとつ。
まるでオブジェか巨大怪物のように天空に向かうタケノコ。画面全体に描かれたこの作品は、明らかにこの植物に意志を持たせているかのようです。その意志とは何でしょう。たとえば、自然をないがしろにしたまま利潤追求に余念のない文明社会への忠告にも似たものです。
作品『宙を刺す』の主人公は人間ではなく、植物(自然界)です。人間たちがこの植物(自然界)を敵視するだけでなく、“共存”しながら生きていく術を考えていかない限り、“ウイルス”の脅威を乗り越えることはできないことを、この作品『宙を刺す』は暗示しているように思われます。もちろん、絵は「観るひとのもの」という視点なんですが。<當山>