ボクネン作品にみる近未来。

 残念ながらボクネン美術館は、先週4月10日より新型コロナ感染拡大抑止のため休館しています。当面は4月21日に再開するつもりですが、まだ余談を許しません。しばらくは静かに動かず、じっとしていようとおもいます。「じっとなんかしてられないよ」という方もいるかも知れませんが、医療関係者などそれぞれ命に関わる現場で働いている方々に迷惑をかけないようにしたいものです。

 ところで、「しばらくは静かに動かず、じっとしていようとおもいます」と先述しましたが、ボクネン作品にそれと通じるテーマの作品があります。何度かブログでも取り上げましたが、14年前に描かれた『飛蝗』(ひこう)<掲載作品参照>という作品です。

 この作品は人間と自然のあるべき究極的な関係を捉えた傑作だとおもいます。作品の下の方にほぼ1割程度の面積で横に黒い地平線が塗られていて、あとはとてつもない数のバッタの大群が画面を覆いつくしています。

 しかしよく見ると、大地の真ん中の方に農夫らしき小さな男が真上のバッタの大群を見上げています。その男は何かを諦めて、ただじっと大群が過ぎ去っていくのを待っているかのようです。作物をバッタに食害されて呆然としているのでしょう。

 この作品には「大自然を相手にどう刃向かったってダメ。やるべきことはやるが、その災難が去るまでじっと待っていよう」といった農夫の沈黙の言葉が聞こえてくるようです。

 現在の「新型コロナウイルス」に直面している私たちの状況とよく似ていますよね。

 作品の深いところにある「メッセージ性」に、今だからこそ注目したいとおもいます。<當山>