山の恵み。

 ある環境プランナーに質問されました。

 「沖縄の都市に大きな木が少ないのはなぜだと思いますか?」

 「ああ、それは沖縄戦で散々やられたせいでしょうね」(やや得意気味に)

 「でも、あれから70年以上も経っているのですよ!」

 「とすると、台風のせい?」

 「この理由がひとつ腑に落ちたのは、最近台湾に行ってきてからです」

 「ああ、それはなんでしょう」

 「もちろん台湾にも台風はありますから、沖縄と同じように樹木は育たないはずです。でも台湾の都市の近くには“大きな山”があったのです。その山が樹木に吹きつける風を防いだので樹木は大きく育ったのではないでしょうか。最近は、いろんな原因で大きな木も少なくなっているとは言いますがね」

 沖縄には昔から村の背後に“腰当(クサティ)”という森があって、村や人々の生活を加護するという聖域があります。山(森)をなくしていくというのは、その“腰当森(クサティムイ)”もなくしてしまうんですね。

 山がなくなれば海も破滅していくというのも、沖縄では昔からよく聞かれます。腐葉土からできた山のプランクトンが海に流れなくなって魚も餌にありつけなくなるわけですね。

 そういえば、ボクネンの故郷にも大きな木がいっぱいありますよ。<當山>

      <掲示作品ボクネン作『泰然自若』(たいぜんじじゃく)2016年>