赤瓦家。

 ちょっと前までの沖縄のひとたちは「赤瓦家」が建つと、それこそ村では大変な羨ましがりようでした。大変なお金がかかったんですね。地域のひとたちが祝いに駆けつけたり、お盆には青年会が新築の「赤瓦家」の前庭でエイサーの演舞で祝福したりしたのです。

 小年の目にも、それはとても大きな祝いごとに見えました。

 しかし、そのうち少年には「赤瓦家」の高さがなんだか低いように感じられ物足りなくなってきました。“勇ましさ”や“かっこよさ”に欠けているような気がしたのです。ところが少年は成長するにつれ、その低さの理由を知り沖縄の文化や自然をよく知ることができました。

 そのことを教えてくれたのは、やはり近所のおじさんでした。

 「あばぁちゃんはね、頑丈な『赤瓦家』にしたかったから、家を高くしなかったんだ。ほら沖縄には大きな台風が毎年、何度も来るだろう。あの激しい風に壊されないように、『赤瓦家』を低くして頑丈で長持ちするような家にしたのさ」。

 ボクネン作品の『赤瓦家』もよくみると、わかりますよ。

                   (當山)<掲示作品ボクネン作『雨端』(あまはじ)2000年>