[ようこそ美術館へ]明るさの後ろの悲しみ。

二人の40代の女性に声かけをしてみました。11月も後半の午後のこと。

 

BA(美術館):作品を見てどう感じましたか。

女性A:確かに絵は明るく描かれていますけど、その奥には暗い悲しみもまた感じます。

BA:へえ…、それは興味深いですね。

女性A:悲しさを明るさで表現しているというか、そんな感じですね。

例えば、海は美しい色を出していますが、その海の底には海でなくなったひとの魂というか、そいうものが見える気がします。さらには、戦争で死んでいったひとの悲しみも絵の裏に感じますね。

女性B:彼女は伊是名に3年ほどいたんです。それで伊是名の風景にととても敏感なんです。

BA:そうですか。それで彼女の目には作品の奥にあるものがよく見えているんですね。

女性A:それと、作品にはいろんな女性が描かれていますが、母親が元になっていると思います。ノロでも信女でも描いているうちに、どうしても母親になってくるような気がします。

BA:……(口ごもるインタビュアー)

女性A:とにも角にも、これらの絵の作家はとてもこれまで苦労してきたのだと思います。それはこの鮮やかな絵の後ろに悲しみが隠れているからよくわかります。

BA:いやあ、新説だらけの貴重な感想ありがとうございました。(インタビュアー=當山)

<掲載作品=万象連鎖5「春のうた」>