エイサーになる。

 

「大きくなったら、なんになる?」

サッカー場を見つめている4歳の男の子に聞いてみました。

誘導になるかともおもいながらも、次の質問をしてみたのです。

「サッカー選手かな? 野球選手かな?」

するとその男の子の答えは、迷うことのない大きな声でした。

「エイサーになる!」

「エイサー」というのは、400年から沖縄で始まった“お盆の踊り”です。本土のやぐらを囲んでの“盆踊り”とは違います。最初はお坊さんが始めた“念仏おどり”だったんですね。それが今ではお盆に地域の人たちが踊り、練り回ることで先祖の霊を慰めています。だから地域では、文化的にとても大事な行事です。

しかし年々、この“エイサー”も若い人にはいくらか人気もあるものの、どちらかといえば中高年以降にはお盆だけの踊りになっています。

それはそれで時代の流れでいいのですが、先ほどの4歳児が大きくなったらサッカー選手よりエイサーを踊る人になりたいという力強い宣言には、目から鱗が落ちるおもいで逞しささえ感じました。

伝統文化に素直に心と体で感じる子どもたち。地域文化に興味を示していないのは意外と大人たちの方かも知れません。

大人は子どもたちにいろんな技術を教えるのは上手かも知れませんが、子どものなかにある素直な“こころ”を理解するのは下手なようですね。(當山)

 

(掲載作品:『円唱』2012)