ミーダマシ。

 先日、「ミーダマシ」というウチナー口を耳にしました。「ミー」は目、「ダマシ」は「タマシ」で報酬、分け前という意味です。つまり「見ていた報酬」というわけです。

昔の漁村では、よく村びと総出で「地引き網」をしてましたが、その漁獲は浜に出ていた村人それぞれ同等に分けたんですね。海の村の「やさしい決めごと」です。

現在の損得だけで成り立つ社会を考えると、とても信じられません。今なら「あいつは見ていただけじゃないか。そんなもんに分け前なんかないよ」という声が聞こえてきそうです。

ところで「地引き網」では、小さすぎる子どもはお手伝いができません。当然「タマシ」(報酬)などなかったんだとおもいきや、これが違うんですね。

小さすぎる子どもたちは大人の「地引き網」を近くで見ていただけですけど、「タマシ」(報酬)がちゃんともらえたというのです。これが「ミーダマシ」。子どもたちも飛び上がって喜んだでしょう。

その漁村では社会や大人が「人格としての子どもたち」への目配りや優しさを忘れていません。

今でもまだ世界のどこかの漁村でこの“決めごと”を守っているところがあるといいですね。(當山)

(掲載作品:『夕凪』1991)