ボクネン展Vol.26 『異郷の風』〜旅情への誘い〜

伊是名島の自然風土のなかで育ったボクネンは、その地の風や光や影、そして水や緑などを身体に脈々と染み込ませてきました。また地域に根ざした文化芸能にも幼少から体験の度を深めてきました。

しかし、その自然や文化の感知力は生まれ故郷にだけ対応するものではありませんでした。異郷の地でも持ち前の受容力で、その土地特有の気候風土や歴史文化に敏感に反応しました。

作家は県外に赴いた際、その土地独特の空気に触発され作品を彫り上げることがあります。“異郷に吹く風”が作家を奮い立たせ、自ずと創作に駆り立てるのでしょう。

ところで異郷で生まれた作品たちは、当地の自然や文化の特性を保持しながら、作家がもともと持っている南島のアート力をも息づかせています。この新たに生まれた“異郷と故郷の風の融合”がまさに今展示会の興味深いところです。

今回の作品たちは故郷沖縄の風土から孵化したような、あるいは異郷の地が別次元の魅力を輝かせたような錬金術を思わせます。言わば、他地域のそれぞれの気候風土が作家の“自然観”を揺さぶった貴重な展示会と言えましょう。

どうぞこの機会に県外風景をモチーフにした展示会に足をお運びください。

ボクネン美術館   館長 當山 忠