ボクネン展Vol.25 『生命の息吹』〜地球のまつり〜

野鳥の翔びたつ羽音、魚が瞬時に跳ねる水音、草むらにひそむ昆虫の蠢き、牛が草を食む音、馬が駆ける蹄の音、豊年祭のガーエーの粗粗しい怒声、海人が櫂をこぐ水しぶき、遥か隣村から聞こえる三線の調べ。これら地続きに響きくる“島詩”たちは、作品に生命を吹き込む豊潤なモチーフです。

ボクネン作品には自然に相対した剥き出しの赤裸々さ、絹糸のような繊細さ、腹蔵する記憶・霊力などがそれぞれに息づいています。

例えば2006年に発表された『飛蝗』(ヒコウ、本展覧会展示作品参照)を見てみましょう。この作品はバッタの大群の害虫行動を見上げるひとりの農夫を描いています。昆虫の大胆不敵な飛翔と農夫の感動及び悲哀は、まさに呼吸する地球を実感させるものです。

ちなみに作家がインタビューなどで作品への思いを尋ねられると、“生命”が感じられる絵にしたいとよく口にします。これは“生命の息吹”が作家にとっていかに重要な表現の核であるかを意味しています。

今回の展覧会は作家の画風を象徴する“生命力”をテーマに多数の作品を展示しました。どうぞご鑑賞ください。

ボクネン美術館館長 當山忠