[ようこそ美術館へ]展示会中の作品から。

 現在、行われている展示会『生命の息吹』から1点紹介しましょう。

ボクネン作品といえば、緑門のノスタルジア、海の輝き、古民家の風景など、沖縄らしさがよく知られるところです。ところがそんな作品たちとは違って健康的でない暗い作品もけっこうあります。そんなところが、この作家の面白さです。

たとえば“男と女の闇”が表現されているとおもわれる作品。むしろぼくは、そんな「地獄をかいま見るような作品」に惹かれます。今日は“男と女の暗くて深い川”が感じられる作品をひとつ紹介しましょう。

最初に掲げた作品『闇が光の中にすべり込んだ』(2009年)がそれです。女性の背後に黒い影、つまり男性らしき人間が見えます。この女性と背後の影男で構成された作品は、ボクネンファンならいくつか見たことがあるはずです。

ぼくはこれらの作品が“男と女の深い闇”を感じさせるものであり、男の女性への態度が自然的であるか、人間的であるかということを示唆しているようにおもえてなりません。

つまり、男が人間的および自然的になれるかどうかは“男の女性への態度”ひとつにかかっているということです。「なんだ、おまえ、わかったふうなこと言ってんじゃねーよ」と、チコちゃんの怒りの声が聞こえてきそうですが、もちろんこの理屈はぼくだけの“妄想”です。絵はどこまで行っても100パーセント説明できない芸術ですからね。「絵は見るひとのもの」を助け船にして、“妄想”を言うしかありません。

これを読んでいる方は、暇つぶし程度に受け流してもらえれば幸甚です。しかし、ボクネン作品における、この“影男”の正体は見れば見るほど“うちあたい”しませんか、男性諸君。