投稿日時:2018年03月26日(月) 15:45

待望の大作2点、年ごとに常設展示。

 ボクネンの代表作と言えば『節気慈風』(1996年)、『大礁円環』(1996年)、そして『真南風の向日葵畠』(1998年)ではないでしょうか。例えば、わざわざ本土から来館されるファンのなかには、「『節気慈風』か『大礁円環』を見たかったんですが…」と残念がることが結構あります。そこで私たちスタッフもなんだか心残りのままでいました。

そして、ようやく今展示会から『節気慈風』と『大礁円環』を一年ごとに常設展示することになりました。ちなみに今年は『節気慈風』です。作品前には『節気慈風』に登場する多くの“風”が紹介されていますので、この方も興味深いものです(ボクネンの文章)。

さて『節気慈風』についてですが、作品について少し触れておきます。先ほど代表作と言いましたが、その理由はボクネン作品に共通する“円環”(循環)というテーマがはっきりと表れているからです。『大礁円環』しかり、そのほかの作品たちにもこの“円環”(循環)というテーマは息づいているように思えます。

そしてその“円環”(循環)は、表立っては「自然風景」を描いているように見えますが、実は「人体」のなかが表現されているようにおもうのです。例えば、作品に現れる土は「肉」、風は「呼吸」、鳥は「善玉菌」、川や海は「血流」、花々は「臓器」などなどと置き換えることができるのではないでしょうか。

私はこの『節気慈風』と『大礁円環』を20年あまり見てきましたが、最近は見方が少し違ってきたようなのです。つまり、ボクネンは一見「自然」を描いているのですが、実は「人体」のなかを線密に描いているようにおもえるのです。

大作の年間展示に、ぜひ足をお運びください。