ボクネン展vol.23『水の記憶』〜すべての始まり〜

次回企画展のご案内です。3月24日(土)よりボクネン展 vol.23『 水の記憶 』〜すべての始まり〜と題し、新しい企画展がスタート致します。

ボクネンは四方を海に囲まれた島で自由奔放に育ちました。海で泳ぎ回 り、釣りや潮干狩りも味わい尽しました。海の好きな少年はいつしか海人(ウミンチュ、漁師)に憧れました。大人になったら海人になろうと思ったのです。 画家の海や“水”への思いと体験はその資質に大きな影響を与えていることは、“水”にモチーフを得た作品がかなりの数にのぼることでもわかります。

もちろん画家の“水”への経験は、幸福感だけではありませんそれとは逆の 恐怖感もまたあったはずです。たとえば少年のころ海人に誘われ、追い込み 漁をしたときの苦い経験。担当の網を海中に離してしまった喪失感です。また 海で逝ったひとたちの深くて暗い悲しみ。などなど “水”への畏怖も心に宿り 続けているはずです。

さらにサンゴを素足で踏んだときの人骨が破砕されていくような寂寥感、ニ ライカナイ(海の彼方にある極楽浄土)からもたらされる島の信仰心、そして ユイムン(海からもたらされる恵み)など“水”は芸術家ばかりでなく自然の生 活文化に身を委ねる島の人たちにも生きる糧だったのでしょう。

このような“水”の経験を体の隅々まで熟知したのがボクネンです。その得 異な資質に恵まれた作家が繰り広げる『水の記憶~すべての始まり~』の展 覧会をご鑑賞ください。

ボクネン美術館館長 當山 忠