ボクネン展Vol.24 『ハロー!キジムナー』〜沖縄・樹の妖精〜

沖縄(琉球)にはいろんな文化のもとが16世紀から19世紀にかけて外国からもたらされました。例えば、シーミー(清明祭)やシーサー、サンシン、亀甲墓などは中国から、また組踊りやエイサーなどは日本本土(大和の国)から伝わったものです。さて、”キジムナー”はどうでしょう。”キジムナー”は”キジムン”(怪の物=けのもの)の発音変化だと思われますから、本土からの影響も受けて沖縄独自の妖怪(妖精)になったものでしょう。奄美大島の”ケンムン”も「怪の物」と読みます。つまり”キジムナー”は琉球弧で妖精ということになります。琉球弧といえばボクネンの創作の源泉とも言える土地柄ですから、”キジムナー”には子供の頃から並々ならぬ好奇心を持っていました。樹の時間、森の恐怖、闇の必要など、”キジムナー”を幻想させる南島の風土を作品に数多く描いています。そして大事なことは”きじむなー”がなぜ人間界に必要とされてきたのかということ。そのヒントも作品のなかに隠れているはずです。やさしさ、信頼、友情、絆など、”キジムナー”はにんげんかがややもすれば失いがちなものを気づかせようとしているのかも知れません。”キジムナー”が私たちに勇気をくれる”自然の妖力”のことをこの展示会で一緒に考えてみませんか。

ボクネン美術館 館長 當山 忠