投稿日時:2014年10月16日(木) 16:32

ばんばんニュース 第14号

版版ニュース2

「じぶんで考えるひとになろう」
〜やってきたよボクネン美術館〜
 昨日の10月16日。台風もなんとほんわかおてんとさま。そんなグッドデイのボクネン美術館に30名余りのBoys & Girlsがやってきた。彼らはうるま市栄野比にある学校法人アミークス学校法人の子どもたち。今回来てくれたのは4年生たち。実は今日も同人数ほどのおともだちがやってくることになっている。
 アミークスと言えばご存知のかたも多いとおもうが、中学3年まで一環して教育を行なうシステム。生徒も先生も一緒に10年間家族のようにふれあうのだ。国際的に自立したこどもたちに育ってもらおうという授業はすべて英語。彼らをみて感じたことだが、そのものおじしない自然体の態度がとても印象深かった。アミークスの教育理念には「宗教をくみせず、民族文化の違いを強調しない」というコンセプトがある。子どもたちは事実と向き合い、考えることをことを目標にしているというのだ。確かにいまの世界は宗教や経済を扮装の種にしてまとまりがつかない状態。アミークスの教育理念にはこれからの世界に大事なヒントがあるとおもった。
 
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 さて前置きが長くなった。すみません。そもそも生徒たちが美術館にやってきたのは、課外授業で木版画に挑戦するため。ボクネンの作品に直にふれ、じぶんの感覚に置き直し独自の発想で作品をつくろうというものだ。
 時間は11時半から2時半までの3時間のけっこう長丁場。それでもみんな最後まで粘り強く下描きに懸命だった。ある男の子は『大礁円環』をいろんな角度から見つめ、ときには作品に向かって距離を置いて手をかかげ比率を計算しているような念入りな下準備。時間はどんどん過ぎて行く。私も心配になってようすをうかがうのだが、いっこうに絵を描き始めない。
 そして最後になってその子が「できたよ!」と言って私に見せてくれた。すると、仰天。紙の裏表に描かれていたのを見せながら「表のこれが朝日、裏は夕日だよ」ときた。この子は長い間『大礁円環』を観察し結局「朝日と夕日」を描いたのだった。この子にとっては『大礁円環』と『朝日と夕日』はつながっているのだろう。まさに筋書きのないドラマ…。
 
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 さてその筋書きのないドラマと言えば野球。ある二人の少年が描いたいたのが「野球場」。ふたりはこよなく野球を愛する阪神ファン。「ところで、どうして海がテーマの展示場なのに球場なの?」と私。するとすかさず「これはマリナーベースボールミュージアムさ」ときた。確かによくみると、球場の周囲にはたくさんの魚が泳いでいる。「この球場は海のなかにあるんだよ」…。これも私の脆弱な発想ではまったくおいつかなかった。ただただ彼らの発送のユニークさに脱帽状態。
 そのほか超芸術の作品の数々にも多々驚かされた。アミークスの教育理念が「個性的な自立」ということを考えると、日本という国の「型にはまった学歴人間」をつくる学校社会に一石を投じそうだ。さて今日は二日目。どんな絵が飛び出してくるんだろう。
 
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