投稿日時:2014年09月29日(月) 14:38

ばんばんニュース 第13号

版版ニュース2
アーティストには、3人のじぶんがいる。
HEARTIST TALK 8  talk with 名嘉睦稔
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 先週の9月27日、土曜日の夕方。美術館は100名余りの美術ファンが集まり、なにやら笑いと拍手の渦となりました。開演4時半からの約2時間あまり。トークショーもあっというまに終わってしまったというお盛り上がりなのでした。
 さて、この催し。いつものボクネン美術館の主催ではありません。天描画家大城清太さんが主催する「ハーティスト・トーク」。大城さんが毎回ゲストを招いて「ハーティスト」な話を繰り広げようというものです。それで大城さんのかつての希望で、ボクネンさんを!というこことになったのです。
 大城さんは以前から画家と人間の両方のボクネンに興味をもち、いろんな聞きたいことがいっぱいあるということなのです。実は二人の話は2010年10月にも浦添市美術館でありました。これが二人の感性がぴたっとあって、かなりの好評を博したのです。大城さんも、そのイベントにこりず、まだまだ聞きたいことがあるということで、この「ハーティスト・トーク」とあいなったです。
 さて、このイベント。進行を務めるのはFM沖縄の西向幸三さん。ボクネンと大城さんは、先回のイベントでもおしゃべり好きであることは折り紙つきなのですが、これにギャラクシー賞受賞の熱も冷めやらぬ西向さんが加わったものですから、もう舞台は大混戦状態。それに大城さんは尊敬するアーティストへの質問とあって緊張の連続。それでもさうが大城さん、そんななか笑いもとるなど、絶好調。
 ちなみに、大城さんはかつてボクネンとの会話でショックを受けた逸話を披露。「ぼくは点描に命をかけています」と緊張気味にボクネンに言ったら、ボクネンのひとことにノックアウトされたと笑う。そのひとこととは、「じゃあ、その点描がなくなったら、きみ、どうするの?」。そのとき大城さんは、もうあたふたするしかなかったと言うのです。
 それでも、ボクネンはどんな状況にあっても、絵を描くという姿勢が大事だと言うことを聞いて、大城さんも納得したようす。
 さて、このハーティスト・トークのコンセプですが、ハーティストとは好きなことに命をかけて生きるもの、そしてさまざまな分野で活躍しているひととのこと。そこで今度はボクネンがいたずらっ気を出して西向さんに、そのマシンガン級のしゃべり技に質問を浴びせました。
 「幸三さん、あの驚異的なしゃべりは、どこから生まれるの?」。幸三さんも「じぶんのことはいいじゃないですか」といいながらもそれとなく話に乗り出しました。「実は話しているあいだじゅうに、ぼくの周囲には3人のじぶんがいるんです」。これを聞いたボクネンと大城さんは一瞬、沈黙。さすがギャラクシー賞と言わんばかり。静かに次の言葉を待った。
 「彼らがしゃべりの内容や方向性やまとまりなどをチェックするのです」。これには、さすがのボクネンも真顔で対応。そしてすかさずアーティストらしく、「それはおもしろいですね。まるで版画を彫るときと同じだなぁ」。大城さんも、ボクネンの言うことに納得。
 このあと、ボクネンに「経営者と作家」の両立のこと「なぜ作品を彫るのか」という興味深い質問などが西向さんと大城さんから矢継ぎ早。ボクネンも「経営者と作家はなにも違うことはない。同じことです」、そして「作品を彫るのはこの世が驚愕だから」と答えました。
 そしてインタビューが一段落ついたあと、大城さんがみずからの作品や新作をビデオに写して紹介。作品へのおもいやテーマ、おばぁちゃんから教わった大事なことなどを話してくれました。さいごにボクネンの歌三線も登場。ますます、大盛り上がりの舞台となりました。
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左から西向幸三さん、ボクネン、大城清太さん