投稿日時:2014年10月17日(金) 16:58

ばんばんニュース 第15号

版版ニュース2

おとな顔まけの鑑賞眼。
〜やってきたよボクネン美術館〜
 
 先回のアミークス少年少女の美術館来訪の第2回目。今回も約30名ちょっと。先回の記事を読んでない方に少し解説。アミークスというのは、うるま市にある学校法人アミークス国際学園のこと。中学3年生までを終始一貫して英語で授業をする。国際人を育てるための教育機関だ。
 先回の10月16日に続いて17日に行なわれた課外授業もここで紹介する。その授業とは生徒たちが版画に挑戦するべく、ボクネン美術館を訪れたのだ。もちろんみんなには月桃紙を使ってもらい、裏手彩色で色も塗ってもらう。
 さて、その日は昼食を午前11時までにすませ、11時半には美術館に到着。それから下絵をするために3時間も美術館で作業をこなした。おかげで私は昼食時間が3時過ぎに食い込みかなりのはらぺこ状態だったのだが…。
 
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 とにもかくにも今回の子どもたちもまたみなユニークだった。先回の『大礁円環』のまえで長時間構想を練る子どもや、阪神タイガーズファンの子どもたちなど話題にことかかなかったが、この2回目もそれにおとらずおもしろさ抜群だった。
 まず、ひとりめ。ボクネン作品の『珊瑚花畑四十五「来訪」』にいたく感激して、その前から離れない生徒(下の写真参照)がいた。この作品はおおよそが金色と黒で描かれた「黄金色と陰」がきわだつ渋い作品。いわゆる沈む夕日を背景に鳥たちが飛んでいく構図だ。旅情性というか詩情性にあふれた大人っぽい情緒豊かな作品なのだ。ところが、この生徒。にわかに作品の魅力を語り始めたのだ。「鳥が空を飛び立っているところと、バックの金色が好きです」と感想。いやはや、ボクネン作品の深みをしっかりと感じてくれたこの少年にほんとに感心した。
 
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 さて次は、女の子だ。私が魚の群れが同じ方向に描かれている女の子の絵をみて、「この魚たちはみんなでなにかを求めて一緒に泳いでいるんでしょ?いいことでもあるのかな?」というと、サラちゃん(その子の名前)は不満げにこう述べたのである。「おじちゃん違うよ。この小魚たちはさばかなんかの大きな魚に追われているところだよ。食べられたらたいへんだからね」ときた。私はまいったと言うしかなかった。
 つまりはサラちゃんの方が私などよりずっと海を理解していたのだ。サラちゃんは「海の恐さ」をよく知っていて、しかも生物の捕食(食べる)と被食(食べられる)という食物連鎖を基本的に理解しているようにおもえた。
 
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 ほかにもいろんな絵があったが、ここではもう省かせてもらう。12月に沖縄アミークスで展示会を予定しているので、興味のある方は足を運んだらどうだろうか。
 さて、こんなふうに美術館での版画体験授業も2回目が終了。みんな丁寧なお礼を述べてスクールバスに乗り込んで行った。次は学校に帰って彫りと彩色に入る。
 ところで美術館での模写中、かわりばんこに来てわたしに聞くのが、「ボクネンさんは、今日は来ないの」という質問。授業前にボクネンのビデオを見てファンになっていた子どもたちがかなりいたのだ。私が忙しくて来れないけれど、ひょっとしたら学校に展示会に行くかもしれないよというと、みんな大喜び。先生のボルトンあゆみさんも「それじゃ、みんな心を込