投稿日時:2014年03月26日(水) 10:50

ばんばんニュース 第8号

版版ニュース2

 「BangBangNo.9」(當山忠言説ノート)が昨日、ようやく刊行されました。刊行といっても、カラーコピーで両面印刷した簡易版(カラー全24P)なのですが、けっこう一生懸命書いてますのでよろしかったら読んでくれるとうれしいです。この冊子、いつも新しいボクネン展のオープンに合わせて発行しています。だいたいが展示作品から20点ほどチョイスして展評というか、作品の説明をやっています。當山が独自の視点で書いているので、美術批評としては価値のないものと言われるかも知れませんが、果敢に挑戦している言説者を頭においていただけるといいとおもいます。さて、とやかく言ってもしかたないですので、ここで[真南風の向日葵畠](1998年)の解説文を掲載してみましょう。
 
 消失点が鑑賞者側に向かっている逆遠近法の作品素材は群れるひまわりたちと野鳥たちの群れ、そして地平線と上部分の限られた空。さてこの作品のモチーフをかんがえてみよう。作品に描かれた雄大な自然世界に喜びを感じて作家はそれを表現したのだろう。しかし私としては、そこで終わるわけにはいかない。そうでなければ私の言説者としての存在意味がなくなるからである。とすると、やはり風景から向かってくる消失点(観る者)に、この作品の意味が隠れている気がする。消失点が鑑賞者のなかに入ってくるのだとすると、消失点というのは理論上には存在しないから鑑賞者も存在しないということになる。ここで「鑑賞者」は存在するけれども消失点は存在しないという矛盾がはっきりしてくるわけである。もちろんその矛盾をおかしているのは「絵」のほうであり「現実」ではない。つまり「絵」は現実や鑑賞者に罠をしかけているのだ。ちなみに本作品は昨年『版画藝術』の代表的な現代作品として選ばれた。(BangBangNo.9 03P掲載
といういうようなものです。もし興味がおありならギャラリーのカウンターにおいてありますので、ご購入(1部350円)ください。
 

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