投稿日時:2013年11月28日(木) 17:31

ばんばんニュース 第2号

版版ニュース2

 本日、午後1時。新報のM記者に新展示会「モノクロームの歌」を取材していただきました。正味、30分ほど美術館内でお話しさせてもらいました。この展示会の魅力は、作家の30年におけるモノクローム作品の変遷がみてとれること、そしてもうひとつは「時代的なテーマ」をとらえていることを話しました。最終的には、最新作品の「アイタイ」(【おっしゃべりQ館長 File No.11】参照)の論議におよびました。


 私がこの作品で「中央の線で分けられるふたつの部分は、右側が生物主体(人間もふくめて)の自然の姿で、左側が文明主体(原発もふくめて)の現在の姿じゃないだろうか」と自説を展開すると、そのM氏「生物主体の自然の姿というのは、プリミティブのことですね」と反応してくれました。その「プリミティブ」という言葉がとっても言い得て妙だったのは、「プリミティブ」が原始を広く意味し、ひょっとすると、人間どころか生物以前の「無生物無機的自然」をも含んでいるとおもわれることでした。まさに記者のそのひとことに、たいへん啓蒙されたのです。

 つまり、この世界の「歪み」を解くには「無生物無機的自然」までさかのぼらなければならないのではないかということです。実は、この議論はいくつか展開されている理論であり、まさに未来社会の重要な開け口になろうかとおもいます。

 M氏はいろんな意味で「プリミティブ」という言葉を使ったのでしょうが、いやいや有意義な言葉をいただきヒントのある取材をしていただきました。

 M氏にお礼の言葉をのべさせていただきます。

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