投稿日時:2011年01月29日(土) 13:23

風の島から Episode 10

風の島からファサード2

 「ちゅらうちなー安全なまちづくり功労者等表彰」を受賞

  124日午後2時前。正月もまだ、少し日数を残す午後。県庁4階にある講堂に集まった人たちのなかに、ひときわ大柄の黒いスーツの男がひとり。その男は、ステージに順番にあがる人々とともに表彰状をうやうやしく受け取った。
 男の名はボクネン。会場は、「平成22年度ちゅらうちなー安全なまちづくり功労者等表彰受賞者の決定及び表彰式」という長いタイトル(この社会運動は普通”ちゅらさん運動”で略されて呼ばれる)の催し。

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 実は数年前、沖縄県から依頼されて”安全なまちづくり”をコンセプトとした「ロゴマーク」を作成。グラフィックデザイナーの仲嶺正己とともにつくりあげた。

 ボクネンは、現在”グラフィックデザイン”から少し距離をおき、ライフワークの版画に精力を傾けている。しかしクリエイティブの現場を離れたわけではないから、依頼された仕事の内容や状況においては、版画制作と同じように懸命に取り組むこともやぶさかではない。

 「作家がアトリエに閉じこもって世間から孤立した場にいては、意味がない。社会に関わらないと、ものづくりはなりたたないよ」

 ボクネンはそういいながら、会場に来た多くの顔見知りと握手を繰り返す。ほんとにこの会場に足を踏み込んで以来、ずっと誰かと談笑を続けるボクネン。   

 次から次へと切れ目のないこの談笑は、確かに「社会に関わらないと、ものづくりはなりたたないよ」という姿勢を30年余も続けて仕事をしてきたあかしだろう。

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 こういう場所はほんとに苦手といいながら、”社会という戦場”に斬り込んでいくのをライフスタイルにしているボクネンだ。