投稿日時:2010年09月24日(金) 14:15
風の島から Episode 3
旧友仲地脩瑛でやって来た
ボクネンを取り巻く仲間たちを紹介する「ボクネンが往く」。今日はイラストレーターの仲地脩瑛さん。80年代のクリエイター同士が久々対面。
仲地脩瑛(なかちのぶひで)と言えば、1980年代にシンガー・イラストレーターと称し独自のクリエイティブ状況を開拓してきたひとり。『やんばる家』のヒット曲も出したことのあるアーティスト。
ボクネンとは、同じ1953年(昭和28)生まれで、当時は異才を放つ二人として名を馳せていた。
あれから20年おたがいの立ち位置はどう変ったのだろうか。
9月2日、仲地さんは久々にボクネンを訪ね、ジャノスで歓談。お互いの近況を語り合った。
仲地さんは、さいきん精力的に得意な分野である動物キャラの擬人化を再開。
その作品を10点近く持参。現在の作品の展開を熱く語った。
「いやぁ、一時はアートのまねごとみたいなことをやったけど、やっぱりボクはイラストレーターだなって、つくづく思ったよ」。仲地さんは、この数年描きためたA2サイズほどの作品を見てもらいながら次々とイラストのコンセプトを説明。
10年近くまえまで「ウコーアート」(線香アート)というジャンルを打ち出し、沖縄市のプラザハウスやセンター通り、はたまた東京などでも盛んに個展を開いた。
当時、業界の人びとは仲地さんがイラストからモダンアートに表現の場を移したということで、大いに話題をさらった。
ところが、健康上の理由やなんやで「ウコーアート」を数年で断念。本来のイラストレーションの仕事にも戻った。モダンアートをやめてから、すこぶる創作状態も調子がいいという。
ところで、ボクネンはそのかん20年以上も版画にこだわり続けている。現在、点数が2000点にも及ぼうとすることで、ボクネンのライフワークとしての版画の位置づけがよくわかろうというもの。
20年前は、ボクネンも仲地さんと同じようにイラストレーターとして活躍していた。イラストレーションという仕事に本来の仕事として戻った仲地さんと、ますます版画への道をつき進むボクネン。
2010年の夏の終り。二人の表現者はお互いのアーティスとての道を認めつつ、いつまでも談笑を止めようとしなかった。