投稿日時:2010年10月16日(土) 10:16

風の島から Episode 4

風の島からファサード2

「アカラ」で朗読会をしようじゃないの?

 10月の初旬、秋風もさやさやと美浜の海辺に吹くころ。佐渡山美智子さん(フリーアナウンサー、写真左端)が、友人を連れてボクネンに会いに来た。場所はジャノス。この訪問のいきさつは、先日、某処でボクネンが佐渡山さんとバッタリ。よもやま話ついでに、佐渡山さんが定期的に開いている「詩の朗読会」に、ボクネンが興味を覚えたことから。

 とにもかくにも佐渡山さんは、以前からボクネンの「文体」に魅せられていたらしい。そこで、「アカラ」で朗読会をしようじゃないの?ってことに話は、トントン拍子。その「朗読会」のくわしいことは、きまり次第にこのボクネンドットコムで報告しますね。場所はアカラのボクネン美術館か、ジャノスかってところでしょうか。ワルミやソイソイ通りで、路上朗読会もいいな..。

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 そして、この「朗読会」、ぜひ定期的にということで宴は盛り上がった。内容はこんなふう。佐渡山さんが自作の詩を読んだり、ボクネンの詩的な文章を読んだりもいいのではと。もちろん、ボクネンも自分の文章を読むことを照れながら了解。

 さて、佐渡山さんが、ボクネンに会ったのはもう20年以上も前のこと。

 佐渡山さんは、第一印象をこの世にこんなインパクトのある人間がいたのかと、びっくりしたのだという。その驚きには、ボクネンも「私もただの人間ですから」と、終始恥ずかしそう。

 佐渡山さんがまだ、沖縄の放送局に勤務していたころ。場所は伊是名。佐渡山さんもボクネンも、番組クルーたちと一緒に同じ民宿に宿泊していた。佐渡山さんは早朝、暗いなかをひとりで出かける男の人がいたのに気づいたそうな。その男はひとり小学校に向かって朝陽に背中にあてながら孤独に歩いていたんだと。

 「あのときのボクネンさんは、とても印象的でした。私は、いつでもあの背中が記憶となって不思議に甦ってくるんです」

 佐渡山さんは、あの背中の印象を心に秘めながら、ボクネンの創作活動に注目してきたという。

 そういえば、ボクネンは出勤途中や仕事中、なにかのおりにひとりでいろんなところをさまよう習癖が…。小鳥の鳴き声を聞いては森に入り、風の向きを感じて海に走っていったり、畑でエサを隠す猛禽類を偵察にいったり…。

 佐渡山さんが、ボクネンの背中の印象を強烈に記憶しているのは、おそらくボクネンの彷徨い癖が彼の創造のエネルギーや原点に違いないなにかを発見したんだね、きっと。