[ようこそ美術館へ]作品の力。

 去る3月11日、東日本大震災が起こって8年がたちました。まだまだ復興の途中だとおもいます。ぼくたちには、こんなことしか言えませんが、前に光を見て歩いて行ってほしいです。

こんなことから書き始めたのは、6年前の夏にボクネン美術館を訪ねて来てくれた宮城県の石巻の方を思い出したからです。その方は鑑賞メモも残していってくれました。その文章の柔らかさからして女性の方だとおもいます。なにはともあれ、その方の鑑賞メモを次に紹介しましょう。

大震災で3人の家族をなくし、ずぅと長い間、笑うことさえ忘れておりましたが、ボクネンさんの言葉や作品に勇気づけられ再び立ち上がろうと思うようになりました。すばらしい作品も購入できて幸せです。石巻で頑張れそうです。(鑑賞メモから:2013年7月21日)]

この文章を目にしたぼくたちスタッフは、驚きとともにえも言われぬ感動に包まれました。「絵」が悲しみにくれているひとに、なにか確かなエネルギーをもたらしているという事実や奇跡です。

ぼくたちは「絵」をもちろん説明などできませんが、ただひとを勇気づけたり慰めたりするのだということを、この石巻の来館者の方から深く学ばせていただきました。

この来館者の方が美術館にこっそりいらっしゃって、絵も買っていただいたことをスタッフ一同、今でも誇りにおもい光栄にも感じています。(掲示作品『白米千枚田の夕焼け』2016年)<當山>