ようこそ、恩納村社会福祉協議会のみなさん

 梅雨も後半、6月の曇り空。そんななか賑やかに美術館を笑顔で訪れてきてくれたのは、恩納村社会福祉協会の18人の紳士淑女。60から70代とおぼしき皆さん。でも、階段はすたこら。館内を歩き回るのも元気そのもの。美術館の見学は初めてとは言うものの、作品の前で熱心に話し合ったり、見つめたりで終始美術館賞にご満悦です。

「この絵はさっぱりわからんさぁ」

と作品(『深海万遍』)の前でつぶやきながらも、そこからなぜか離れない。

「海は嬉しい楽しいばかりでなく、悲しいも苦しいもみんなひっくるめて海なんじゃないか」

と誰かが言うと、うなずきながらみなさん考え深そう。

「そうだね。海ではいろんなことがあるということをこの作品は言っているんだね」

「そうだね。そうだね」

とまた誰かがあいづち。そして、ようやくその作品から離れた。

今年から、一年ごとの展示となった『節気慈風』のまえでは、4、5人の方達がなにやら真剣に論議中。

「いろんな昔の沖縄の言葉を、年寄りはよく知ってるさぁ」

と四季のことを書いた『節気慈風』の説明ノートを見ながら話しているのは、沖縄方言の内容の深さのこと。この熟年の方、いろんな風や季節のことを書いてある説明ノートが、作家の書いたものと知るとびっくり。

「これを書いたひとは年寄りでもないのによく知ってるさぁ」

ときた。

そんなこんなで、いろんな作品のまでいろんな作品談義に花を咲かせている皆さん。ほとんどのひとが美術館は初めて。でも作品鑑賞には満足だったようだ。

「初めてだったけど、おもしろかったですよ」

という一言に私たちスタッフもつい嬉しくなりました。