投稿日時:2015年06月05日(金) 14:30
おしゃべりQ館長 その19
ボクネン語録にはいろんなものがあって、みなさんにもよくご存知の方がいるかも知れません。
「絵は観るひとのものだ」「一回しか死なない」「絵はすでにそこにある」「絵には描く順序がある」などなど、数えあげるときりがありません。それらの語録は、だいたいにおいてぼくは理解できているつもりです。
でも、これまで理解しがたいものがひとつありました。それは「質より量」という言説です。どう考えたって、質を追求するのが当然ですし、量をいくら増やしたって時間の無駄ではないのかというのがぼくの考えでした。
ところがです。最近その「質より量」という言説の意味がなんとなくわかるような気がしてきました。それは、どういうことかと言うと、芸術は「頭」でいくら考えてもたいしたものは生まれてこないのではないかということです。「頭」でばかり考えていると発想なんて知れていますし、それこそ傑作なんて生まれるはずがありません。
そうすると、優れた「芸術」を生み出すのは「頭」ではなく「手」だということになります。なんどもなんども「手」で考えて無限に制作していくことの方が、いい作品につながていくのではないかということです。
つまりです。「質より量」の方が傑作に向かう確立がより高いということになります。
やっとわかりました。「質より量」なんですね。