投稿日時:2013年01月17日(木) 13:51
万想連鎖 26
パソコンや携帯で簡単にメールをやり取りできるようになったから、年賀状もそれに取って代わられたように、日常の音信に葉書を使うことは少なくなった。手元にあるボクネンの絵葉書も、ボクネン作品を手近に楽しむものとして購入し、たまに引き出しから出して見ることを楽しみとしていたが、最近、ちょっと考えが変わった。メールアドレスを知らない人に感謝の気持ちを伝えそびれていたとき、遅ればせながら伝えたい自分の気持ちを、ボクネン絵葉書に書き綴った。相変わらず手書きは苦手だし、きれいな字は書けないが、それなりに丁寧に、また自分の気持ちを素直に文字にすることができた。ボクネンの向日葵の絵がその気持ちを後押ししてくれているような気がした。自分の気持ちを上手く伝えることができた満足と喜びがあったが、それ以上のことを期待したわけではない。しかし、しばらくして、先方から何倍もの喜びの気持ちが返ってきた。思い切って葉書を書いて良かった。それもボクネン絵葉書に書いて良かった。気持ち以上のものが伝わったのかもしれない。そんなことがあって、それから機会を見つけては、ボクネン絵葉書を使って感謝の気持ちを伝えるようにしている。
今年いただいた年賀状の中に、以前、私が送ったボクネン絵葉書を大切に飾っていると書かれていて、おやっ?と思った。以前もボクネン絵葉書を送ったことはあったのだ。しかも、その絵葉書は、その方の手元で大切にされていたのだった。私の書き綴った汚い字とともに。もっとも、私の文面は裏に隠れてボクネン作品が部屋を飾っているだろう。その部屋を訪れた方が、その絵葉書を見てボクネン作品を知るきっかけになったら、なお嬉しい。絵葉書を手元に置いてたまに見る喜びも悪くないが、自分の気持ちを伝える媒体として使うことで、自分の気持ちとともに、ボクネン作品の魅力が広がっていくなら、その喜びは何倍も大きい。今年も、ボクネン葉書を書くチャンスが巡ってくることを楽しみにしている。
※掲載作品『真南風の向日葵畠』