投稿日時:2011年09月17日(土) 16:49

万想連鎖 15

風の島からファサード2


ボクネン版画に思いを寄せる全国の通信員たちの「声」を届けます。トップバッターは、福岡県の那和慎二さん。その20年来のファンぶりは、作家や作品の機微にふれ、思わぬ情報がいっぱいです。それでは、那和さんの『万想連鎖』シリーズをごゆっくりどうぞ。

 

 万想連鎖15 万人連鎖へ

 那和慎二(福岡通信員

55 命の河-1998.jpgのサムネール画像

 命の河 -1998-

 この万想連鎖が、オフィシャルサイトに掲載された。ボクネンへの私的な感想に過ぎないものが公になる。嬉しいような恥ずかしいような。願わくは、こんな感想でいいなら、私も投稿してみようと思う人が次々出てくれること。恥のかき甲斐もあるというものだ。

 さて、行きたくて行けなかった12/18のトークライブをyoutubeで見た。本当は現場に足を運びたかったのだが、映像ででも見ることができて良かった。ボクネンさんがなぜ感想を求めてくるのかがわかった。自分が書き送った感想と言えるかどうかわからないけれど、書き連ねた想いが見当はずれではなかったのだと安心することができた。ライブで話題になっていたサイン帳に書かれた一言の感想がボクネンさんを唸らせたことには感心したが、私は私の書き方でこれからも長々と感想を書き連ねていこう。トークライブはタオル美術館と明治神宮で経験しているが、いざ質問と思ってもなかなか手を上げる勇気が出ない。勇気がないくせに、実は質問したいことがあったのだ。でも、その場の空気を読めない頓珍漢な質問をしてもと思うと手が挙がらなかったのだ。もし、今度その機会が巡ってきたらその質問をしよう。そう思っていたのだが、今回の映像を見て、その答えはほぼ得ることができてしまった。その恥ずかしい質問とは「彫っているうちに手が滑って、しまった!と思うようなことはないですか?」答えは「ある」であり「ない」となるだろうと推測する。彫っている手をコントロールしているのは、ボクネンであり、またボクネンではない。ボクネンの意思に反して、手が滑ったとすれば、ボクネンを超える大きな意思が働いていたと言っていいのだろう。そういう意味で滑ることはあったとしても、そこでボクネンさんが「しまった!」と思うことはないだろう、というのが、ライブトークから読み取った私の答えである。

 聞きたいことをボクネンさんに質問するのは、案外難しいことだ。なぜ、私はボクネン作品に惹きつけられるのか。その問いにボクネンさんが明快な答えを示してくれるとは思わない。自分で考えるしかない。或いは、それぞれの理由は違ったとしても、ボクネンファン同士が感想なりを交わせる場があれば、答えを見つけられるヒントは得られそうな気もする。トークライブの後、参加したみなさんは、そのままお帰りになったようだが、せっかく集まったのだから、ファン交流の場があってもよかったのかなと思った。

 MIXYにもファン交流の場はあるが、オフィシャルサイトの万想連鎖が、誰もがボクネン作品への想いを自由に交わせるきっかけとなり、人と人とがつらなる万人連鎖になったらいい。