投稿日時:2011年04月28日(木) 15:11

風の島から Episode14

 風の島からファサード2

画文集『風のゆくえ』の朗読会開催

 きのう427日の夜7時から、ダイニングカフェ・ジャノス(アカラ3階)で「ボクネン画文集『風のゆくえ』を読む」の朗読会がありました。会場には60名ほどのみなさんが足を運び、西側テラスからの海風を感じながらのしっとりとした夜の時間を過ごしました。

 朗読会にはフリーのアナウンサーの佐渡山美智子さんが応援に駆けつけ、抑揚のきいた声で会場のみなさんを「風にさらわれる」ような気分にしてくれました。

 これまでボクネンの文章は新聞や雑誌で掲載されたことはありますが、今回のように「朗読」されるのは初めてです。会場は、はやくも興味しんしんのムードが…。なによりボクネンが緊張気味のようでした。

BY14

 主催者も「朗読会」というのは初めてです。せめてお行儀のいいイメージをなくして親しみのあるものにしようと、あれやこれやと出し物に工夫をこらすのにけんめい。

 その工夫はといえば、まず会が始まるまえの軽食メニューでした。食材は沖縄の野山に咲く「山菜や海菜?」を調達したのです。朗読会当日はボクネン自身が午後から読谷の海岸や畑に出かけ、西や東に駆け回り仕入れてきたもの。

 「沖縄人がむかし自然に食べていたものを体験して、自分たちの舌の能力を確かめてほしい」と、その日の午後は仕事を忘れるほどの奮闘ぶり。

 ボクネンも「ボクの文章はほとんど自然とのふれあい。沖縄の山菜を味わうことで詩文の朗読の入口としては、それもいいんじゃない?」と、いささかご満悦みたいでした。朗読会前の軽食も、すでに「詩文」の世界と一緒なんだということになったのです。ところが、これがけっこう好評。「こんなに多くの種類の野の花たちが食べられるなんて!」という声が、会場のそこかしこに聞こえてくるほどでした。

 さて「朗読会」を楽しむためのもうひとつの工夫は、ボクネンが朗読の前後に三線片手に”しまうた”を披露するというもの。最初は音響効果として考えていたものですが、ところがどっこいモノでした。“しまうた”が朗読と肩を並べるくらいの驚くべき雰囲気を盛り上げてくれたのです。「こうなると歌サンシンも”詩”と一緒だね。おもしろいね」と、スタッフも思わぬ「サンシン効果」に気を良くしたよう。

 「朗読→歌サンシン→おしゃべり」とつづくなか朗読会はいよいよ終盤へ。最後のあいさつでボクネンは「東日本で被災された方々は、いまたいへんなときですが、大切なことは”まず生きること”です。これをしっかり日本みんなでやりましょう」と会場のみなさんに語りかけました。

 そして「画文集『風のゆくえ』も”その生きることの素晴らしさ”を言いたいがために書いたのかも知れません」と話すと、会場のみなさんも少し考え込む感じで静かな雰囲気に…。

 スタッフもこの国がこのような大変なときに、『風のゆくえ』の「朗読会」が開けてよかったと喜びあいました。