投稿日時:2013年05月20日(月) 10:03
万想連鎖 29
夏を迎える前に全国で行われる沖縄物産展。ここ、大阪でも阪神百貨店で開催された日曜日。ハブボックスが出店していることは、Facebookを通して岸部健太郎氏から情報はもたらされていた。期待したレキオシアンのかりゆしウェアがなかったのは残念だったが、ハブボックスの商品が来店客に人気を博していて嬉しかった。さて、もう一つのお目当ては、「うりずん」店主、土屋實幸さん。「うりずん」も出店していて、土屋さんの泡盛トークもステージプログラムに組まれていたのである。私を見つけるなり、「那和さん、福岡じゃないの?」とは驚いた。何千・何万の「うりずん」来店客の遠い過去の一人に過ぎず、しかも、今まで会ったときは、お互いにほとんど酒気帯びであったに違いない。その私のことを正確に記憶していただいていた。
今まで、「うりずん」が万想連鎖に登場していなかったのが不思議なくらい、私と沖縄とのつながりの中で、「うりずん」の存在は大きい。私が初めて伊是名へ行くことにした前夜、「うりずん」で古酒を体に浸み込ませながら、そのことを土屋さんに告げると、土屋さんはことのほか喜ばれて、運天港までの足を心配してくださった。なんとかなると高をくくっていたが、結果としては、土屋さんの命により私を送ってくれた下地店長のおかげで、無事、伊是名行きのフェリーに乗ることができた。思い起こせば、『緑門』を購入したときも、土屋さんには報告していたし、そのときの土屋さんの深い頷きが、思い切って購入して良かったと確信させてくれた。我が家に沖縄県物産公社企画の『妹の祈り』ラベル泡盛古酒一升瓶が12本も眠っているのも、百年古酒の仕掛け人、土屋さんにどこかで操られているのかもしれない。
(掲示作品:『妹の祈り』1992 47.0×31.3cm 木版、裏手彩色)