投稿日時:2017年11月24日(金) 14:56
北中城役場退職会のみなさんが、来館。
北中城村の役場退職会のみなさん26名が美術館を賑わせたのは、11月の20日の月曜日午後。退職した方たちですから、もちろん貫禄ある熟年のみなさんばかり。男女ともやはり興味を持つのは、“紋様”が彫り込まれた女性像のことでした。
「この女性たちは、誰がモデルなんですかね?」
と70代の男性が作品を見つめながら、真顔で聴いてきます。
「いゃあ、それはやはり奥さんあたりが近いんじゃないですか」
と少しユーモアを込めて返答する私。
「…それは冗談ですが。正確に言えば、母親、奥さん、カミンチュ、想い出の人、とにかく女性のイメージを全部、重ね合わせたものだと思いますよ」
ともう一度、私が説明を加えると質問した男性の傍で、うなずく熟女ふたり。なんだか勝ち誇ったように微笑みました。
「女のひとに“紋様”を彫るのは、ある意味、女性に霊力をつけるという意味もあるようですね」
とさらに私が話すと、先ほどの男性はもうその場から少し下がってうなずくばかり。熟女たちはますます我がことのように作品を見つめています。確かにこの“紋様”の展示会、ある意味、“紋様”をほどこす女性というテーマがメインになるようです。
しかし今さらながら、この『紋様の祈り』展は、女性の生き方や考え方が軸にならないと成り立たない展示会だなと思えました。もちろん、そのことを思いつかせたのは、「モデルは誰かね?」という男性の質問を傍で聴いてしたり顔をしたマダムふたりでした。(やま)