投稿日時:2017年10月30日(月) 16:50
不思議なガーディナーがやってきた。
今月の25日(水)。仙人のような髭をたくわえ、はるばるオーストラリアから取材にやってきたのは、コスタさん(52)。ガーディナーで国営放送の司会も務め、オピニオンリーダー的な存在だという。地元では大変な有名人らしい。哲学者のような園芸人という不思議なひとである。
今回の取材は、ボクネンのアーティストとしての情報をユーチューブで世界に発信したいとのこと。
それにしても、一筋縄ではいかなさそうなコスタさんである。まずは彼、美術館に入るやいなや、にわかに近づいて興味を持った作品が『蕙心』(けいしん)。ご存知のように、この作品はうら淋しそうな黒いひまわりが描かれ終末をイメージさせる作品だ。
この『蕙心』を間近にしたコスタさんは真顔になり、とても興味をそそられたようすだった。早速、彼はこの作品の意図するところを聞かせてくれとボクネンに…。
するとボクネンは、見ると暗い感じがするかも知れないが、タイトルの蕙心のように慈愛ある美しい心を感じさせる「ひまわり」なのだという。その慈愛を感じてやまないわけは、死に往くひまわりが種を残し子供たちに命のバトンをつなげているからだと言う。その姿は美しい以外の何物でもないと強調した。そういうわけで『蕙心』というタイトルもつけたと、コスタさんに話した。
これを聞いたコスタさん、自分もガーディナーであり、その命を伝える美しさはよく共感できると感動したようす。命は創造の原点だと、意気投合した。
そのほかにも地球上の「命の美しさ」を讃える話にふたりとも意気投合。なんどもハグする二人は、国境を超えたアーティストたちそのもの。時間を忘れるほど、話はつきなかった。
『蕙心』(2002年、180.0×90.0cm)