投稿日時:2017年06月28日(水) 14:03

ワルミ通りで、咲ちゃんが発見!。

 先週、梅雨明けとともに涼しげな夏至南風(カーチーペー)がアカラのワルミ通りを吹いているなか歩いていると、ギャラリーの咲ちゃんが黄色い声で話しかけてきた。

 「館長、ほらガジュマルの枝にヒヨドリが卵を産んでますよ!」

 僕は、びっくり。なにしろ、こんな間近でヒヨドリの巣を見るの初めてだったし、人通りの多いワルミ通りで見るのも珍しいと思ったからだ。

 「咲ちゃん、よく見つけたね。ヒヨドリの卵なんて!」

 「そうなんです。私もう嬉しくて、誰かに言いたくて…」

 咲ちゃんも、かなり興奮気味だ。

 「それに、浜木綿(はまゆう)の蕾も…ほら。ワルミ通りは、いま華やか真っ盛りですね。嬉しい」

 若い娘はワルミ通りの〝季節の便り〟に喜びを隠せないよう。

 それにしても、僕がもっと不思議に思ったのは、どうして人通りの多い、それもほぼ人間の目線のところにヒヨドリは巣を作ったんだろうということ。

 ほかの日に、わが社の〝動物博士〟にさっそくこの疑問を聞いてみた。

 「昔は子どももヒヨドリを捕らえるために、よく追いかけていたから、それなりにヒヨドリも人間への警戒心が強かったんだ。だからヒヨドリが自分の巣をそんなとこに作るなんてことはなかった。でも、今の子供達はゲームに一生懸命からなのか、ヒヨドリを追いかけたりしないだろ? だから、こんな身近に巣をつくって卵を産むようになったのさ」

 博士は遠い昔を追いかける目をして、うなずきながら教えてくれた。