投稿日時:2016年12月19日(月) 14:09

気根から始まる。

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 先日、ボクネンが嬉しそうにアカラ南東側の花園にぼくを誘った。すると、そこにはガジュマルのヒゲが地面に辿り着いて、太巻きのしっかりとした根を生やしていた。2010年以来「アカラを森にしよう」というキャッチフレーズを唱え続けてきた成果が、ようやく眼に見えるまでになったのである。

 ところでそこでふとおもったのは、この気根こそが、ボクネン作品の根っこにあるものではないか、という直観であった。あのひと並みはずれた樹木ずきな作家が、作品にそのおもいを表現しないはずはないからだ。

 「人間には生理というどうしようもない自然がある」としたら、まさにボクネンには、じぶんのからだのなかにガジュマルという自然を生理として取り込んでいるのではないかと、おもわざるを得なくなった。

 気根にまなざしを向ける作家のうれしそうな顔をみながら、それこそ彼の全作品に表れているのは、ガジュマルなど樹木の生理的自然なのだろうとおもわれた。