投稿日時:2015年10月19日(月) 14:02
おしゃべりQ館長 その34
ボクネンには、とくに人気のある絵がある。例えば、「緑門シリーズ」とか、一連の「ガンチョーギーのシリーズ」、或いは『妹の祈り』などなどであるが、ぼくには以前よりこの絵は、やはり好きなひとは好きだろうなとおもっている絵が一枚ある。それは『駿風』(しゅんぷう、95.6×184.0cm、1999)という絵だ。
この絵はもうご存知のかたもいるとおもうが、横長の絵で馬が疾走しているスピード感のある絵だ。馬上には女神が振り落とされないように必死にしがみついているのもなんだか趣がある。
この絵が、好きなひとは好きだろうというぼくが言う理由は、まず動物が好きなひと、とくに馬の好きなひとはたまらないだろうなということである。ぼくの友人にも動物好きなひとがいて、ボクネンの好きな絵を一枚あげると、絶対にこの『駿風』が好きだといつも言ってくれる。
そして、ぼくが言うこの理由が先々週だったか、もっとはっきりしたのである。たまたま、この『駿風』を購入していたひとがいて、ぼくは話しかけてみたのだ。「この絵は、作家がこよなく馬を愛していて、そんな彼の気持ちがとても込められて描かれているんですよ」と言うと、その購買者は目を丸くして、自分も馬が好きでよく乗っているのだという。だから、この絵を求めたのだと…。
ああ、やっぱり『駿風』の絵の好きなひとは、無類に馬好きなんだなとぼくが前々からおもっていたことがついに証明されたのだった。それに、この話には尾ひれがつく。その購買者とは20歳前くらいのアメリカ人の女子だった。つまりだ、馬の好きなひとは国籍人種関係なく、この『駿風』という絵が好きなんだなーと、思わせてくれたのであった。
こんなことが絵の持つ「力」なんだろね。この女子はママと一緒に来たらしく、とても嬉しそうな顔をしてギャラリーをあとにしていったんだ。ちなみにママ女子のほうは、『妹の祈り』を買っていってくれました。
ほら、馬が大好きな目をしてるでしょ!
『駿風』