投稿日時:2013年12月16日(月) 11:31

ばんばんニュース 第5号

版版ニュース2

 ボクネン版画をみる場所は、美術館やギャラリーとは限らない。他人の応接間や玄関にも飾ってあるのだろうが、それは誰でもが入っていけるものではない。誰でも行ける場所の話だ。たとえば、病院やカフェ、ホテルなどである。
 ちなみに、最下段に載せてある『黄金色の朝』(2001年 600×455cm)は、中部病院の南棟のエレベーター昇降口に行くと観ることができる。ゴッホはあの「ひまわりシリーズ」の作品を11点(12点説もある)を後代に集中的に制作しで残したが、あの作品群は彼自身が精神的にまいっていたときに描かれたと言われ、みずからを鼓舞するためとの見方もある。つまり「ひまわり」はひとを「元気づける」象徴とも言えるテーマ性をもちうるのだ。
 なにをいいたいかと言えば、このボクネン作品の『黄金色の朝』を購入し病院に飾ったお中部病院のお医者さんは、患者や見舞い客を「元気づける」象徴としてエレベーター入口に飾ったのではないかともおもうのである。それも、この作品が飾られている入口は5階や6階の「入院室」へ向かう昇降口なのだ。
 ぼくが、このお医者さんの気持ちがなんとなく予想できるというのは、じつはぼくも今年、父をなくし今年の3月ころは、このエレベーターの前になんども立ったからである。そのたびに、この作品をみていたものだから、とくにこのお医者さんが「元気づけ」をしているのではないかとおもえるのだ。
 みなさん、県立中部病院へ行く機会、またはお近くへ立ち寄りのさいは、ぜひ南棟のエレベーター昇降口へ行き、元気をもらっていただけたらとおもう。
 
BBN-5
       沖縄県立中部病院南棟のエレベーター昇降口に飾られた『黄金色の朝』