投稿日時:2011年08月08日(月) 13:46

万想連鎖 12

風の島からファサード2

ボクネン版画に思いを寄せる全国の通信員たちの「声」を届けます。トップバッターは、福岡県の那和慎二さん。その20年来のファンぶりは、作家や作品の機微にふれ、思わぬ情報がいっぱいです。それでは、那和さんの『万想連鎖』シリーズをごゆっくりどうぞ。


 万想連鎖12 琉球の風

那和慎二(福岡通信員

 まったく濱さんの幸運にはかなわない。沖縄料理「ゆがふ」店主、東濱さんのことである。琉球チムドン楽団の元メンバーの結婚式にご夫婦で呼ばれて、台風をかいくぐって沖縄に行き、せっかくだからボクネン美術館を勧めておいたら、なんとボクネンさんと一緒に撮った写真を携帯に送ってきた。私も、こうしてボクネンさん一人を読者として万想連鎖を書いていることをこの上ない幸運を考えているが、幸運を引く強さは濱さんに負けた、濱さんは、二度目の癌と闘病中であるが、あの運の強さなら、厄病神は逃げていくことだろう。写真は病気見舞いのボクネンかりゆしを着てくれていて良かった。

さて、その濱さんが構想し、多くの人たちの共感と協力の下、知名定男さんがプロデュースする熊本での音楽イベント「琉球の風」。3回目となる今年は、人気のBEGINや宮沢和史の出演、宇崎竜童の友情出演もあって、6時間を越える15組のパフォーマンスに過去最高の盛り上がりとなった。野外会場の芝生は3千を超えたであろう人、人、また人であふれ、出店した沖縄料理店は軒並み品切れとなった。オリオンビールも泡盛も飲めるから、音楽の楽しさが更に倍加した。自他ともに認めるボクネンファンとして、クロトン柄のかりゆしで決め、彼女と出かけた。彼女も私がお土産のプレゼントした「青い鏡」のTシャツを着てきた。「おっ!ボクネン!」と声を掛けてくれる人はいなかったけれど、かなり目立っていたのだろう。知人はみんな私達をみつけて笑顔を送ってくれた。すこしはボクネンをアピールできたかもしれない。

実は、この「琉球の風」で以前から実現できたらいいなあと思っていることがある。かなり大掛かりなイベントだから、ポスターも配ればチラシも配る。スポンサーがついてラジオ・テレビCMも流れた。ああ、このポスターにボクネン作品を使えたらなあ。イベントの趣旨に適った原画制作となれば最高。そう何度も思った。濱さんにもそう話して、できたらいいねといことにはなったのだけれど。どう進めてよいのやら、そこで話は止まってしまった。今、ここにこう書いているのは、もしかしたら、という一縷の望みをつなぐ、実現への道筋を探る試みである。「琉球の風」を後援する熊本県の担当者が、舞台挨拶で話したように、沖縄と熊本とは、歴史的な繋がりが深い。このイベントが更にその関係を深めていくように作用するために、ボクネン作品は、大きな力になると確信している。ボクネンの絵から吹き出す島風には、「琉球の風」にさらに多くの人々が集まることを^夢見る。

そうだ!ボクネンがジウテーとして登場するというにはどうだろう。(*2011年の『琉球の風』は9月25日(日)に行われます。)

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