ギャラリー散歩

竹富士画像3

  先月の2月、新鮮なイメージに圧倒されたボクネン作品が2つある。『竹富士』と『梅富士』だ。これらの作品を目にしていると、なんだか「花札」や「かるた」ような懐かしいイメージがわいてくるのだ。それと、浮世絵の素朴な深みなどというものも感じられる。

 しかし、それにしてもである。先回にもこのブログで紹介した剣岳を描いた『屏風山』(3月制作)の荒々しさからすると、わずか1か月も経たないのに、このタッチの変わりようは驚くべきものと言わざるを得ない。とにもかくにも、作家の版画タッチの棚は、あいも変わらず増え続けていることに驚嘆させられる。ここには「絵の好きな」作家が創作の森を恐れることなく一心不乱に突き進んでいる世界があるようにおもえてならない。

 さて、この『竹富士』と『梅富士』であるが、ぼくにはこれらが「年老いた幼児」の描いた作品のようにイメージされてしかたないのだ。ここには、おそらく「幼児の大胆さ」と「老練な慎重さ」が交わっている妙味が醸し出されている。

 この「年老いた幼児」の画道が、これからどこに向かうのか注視していきたい。

梅富士3

  上から『竹富士』、『梅富士』