梅雨どきの風がおもしろい。

 先週の土曜日から、奄美地方とともに沖縄地方も梅雨入り。さて、この季節に吹く沖縄の風の名前と働きがおもしろいので、紹介したいとおもいます。もちろん、元ネタは“風の百科事典”ボクネンです。教科書に載っている言葉ではなく、地元に伝えられる風の言葉ですから、これがまたすごくおもしろいのです。

 たとえば、いまの梅雨どきの初めに吹く風を“黒南風”(くるふぇー)といい、どんよりとした雨雲が水平線の境目を曖昧にするとき、南から吹いてくる風を言うのですね。黒い風が向かってくるような感じで梅雨入りの雰囲気もバッチリです。

 ちなみに、梅雨明けの6月中旬ころに吹く風を“白南風”(しるふぇー)と言うらしいんですが、これが“黒南風”を北へ運んでいってくれるんです。つまり、“白南風”のお仕事のお陰で梅雨が明けるわけですね。これは、風たちが役割を与えられた季節の仕事を毎年こなしているみたいで、ほんと興味深いです。

 ちなみに、この“白南風”は安定したやや強い季節風なものですから、この風の力を借りて王朝時代の進貢船は中国へ、そして江戸上りのための船は本土に向かうことができたんですね。

       (掲示作品『白南風の向日葵』<1998年、91.0×91.5 cm>)